外陰炎
概要
外陰炎は女性の外陰部に生じる炎症性疾患であり、細菌・真菌・ウイルス感染やアレルギー、物理的刺激など多様な原因で発症する。年齢を問わず発生し、特に小児や高齢女性で多くみられる。症状や原因に応じて適切な治療選択が重要となる。
要点
- 感染性・非感染性を問わず多様な原因で発症
- かゆみ、発赤、腫脹などの外陰部症状が主体
- 原因検索と適切な治療・ケアが再発予防に重要
病態・原因
外陰炎は細菌(ブドウ球菌、連鎖球菌など)、真菌(カンジダ)、ウイルス(単純ヘルペスウイルスなど)の感染や、アレルギー反応、摩擦・湿潤などの物理的刺激によって生じる。小児や高齢女性は外陰部のバリア機能低下がリスクとなる。
主症状・身体所見
外陰部のかゆみ、発赤、腫脹、疼痛、びらん、分泌物増加などが主徴。慢性化すると色素沈着や皮膚の肥厚を伴うこともあり、鑑別疾患として外陰腟カンジダ症や接触皮膚炎などを考慮する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 外陰部視診 | 発赤、腫脹、びらん、分泌物 | 肉眼的観察が基本 |
| 分泌物培養 | 細菌・真菌・ウイルスの同定 | 原因微生物を特定 |
| 顕微鏡検査 | 白血球増加、菌糸・胞子等 | 真菌・細菌感染評価 |
症状や視診所見から診断することが多いが、感染が疑われる場合は分泌物培養や顕微鏡検査が有用。アレルギー性の場合は原因物質の問診やパッチテストも考慮する。
治療
- 第一選択:原因に応じた抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬の局所投与
- 補助療法:外陰部の清潔保持、保湿、刺激物回避
- 注意点:再発予防のための生活指導と、基礎疾患の検索
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 外陰腟カンジダ症 | 白色帯下、強いかゆみ、カッテージチーズ様帯下 | 真菌検査陽性 |
| 接触皮膚炎 | 新規使用の石鹸・ナプキンなどの履歴 | パッチテスト陽性 |
| 性器ヘルペス | 小水疱・びらん、疼痛が強い | ウイルス分離・PCR陽性 |
補足事項
再発例や難治例では糖尿病や免疫不全などの全身状態評価も重要となる。小児や高齢者では外陰部の解剖学的・生理学的特徴を考慮したケアが必要。