外陰潰瘍
概要
外陰潰瘍とは、女性外陰部の皮膚や粘膜に形成される限局性の組織欠損を指す。感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍など多様な原因が存在し、鑑別診断が重要となる。疼痛や出血を伴うことが多く、しばしば日常生活に支障をきたす。
要点
- 原因は感染症、自己免疫疾患、腫瘍など多岐にわたる
- 疼痛や出血、排尿痛などの症状が主体
- 鑑別診断と原因治療が重要
病態・原因
外陰潰瘍はウイルス(単純ヘルペスウイルス、梅毒トレポネーマなど)、細菌、真菌などの感染、ベーチェット病や膠原病などの自己免疫疾患、悪性腫瘍、外傷、薬剤反応などが原因となる。性感染症が若年女性で多く、高齢者では悪性腫瘍も考慮する。
主症状・身体所見
局所の疼痛、発赤、腫脹、潰瘍部からの出血や滲出液、掻痒感、排尿時痛などがみられる。潰瘍周囲のリンパ節腫脹や発熱を伴うこともある。潰瘍の形態や辺縁、底部の性状は鑑別診断の手がかりとなる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| ウイルス・細菌培養 | 病原体の同定 | ヘルペス、梅毒、淋菌など原因検索 |
| 血清学的検査 | 梅毒血清反応、自己抗体 | 感染症や膠原病の鑑別 |
| 病理組織検査 | 悪性細胞、炎症細胞浸潤 | 腫瘍性病変や難治例で実施 |
潰瘍の性状や分布、既往歴、性感染症リスクの有無などを総合的に評価し、必要に応じて病理組織検査を行う。画像診断は進展度や腫瘍性疾患の評価で用いる。
治療
- 第一選択:原因疾患に応じた抗菌薬・抗ウイルス薬・免疫抑制薬
- 補助療法:鎮痛薬、局所洗浄、保湿、二次感染予防
- 注意点:性感染症対策、パートナー治療、悪性腫瘍の除外
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 性器ヘルペス | 小水疱→浅い潰瘍、強い疼痛 | ウイルス分離・PCR陽性 |
| ベーチェット病 | 再発性、口腔・眼病変の合併 | HLA-B51陽性、全身症状 |
| 外陰癌 | 潰瘍性腫瘤、硬結、進行性 | 病理組織検査で悪性所見 |
補足事項
外陰潰瘍は多様な疾患の初発症状となることがあり、問診・身体所見・検査を総合して診断する必要がある。難治例や再発例では腫瘍や膠原病の除外が必須となる。