外傷性白内障

概要

外傷性白内障は、眼球への外傷によって水晶体が混濁する疾患であり、視力障害の原因となる。外傷の種類や程度により発症機序や進行速度が異なる。小児から成人まで幅広い年齢層で発症しうる。

要点

  • 眼球外傷後に水晶体混濁が生じる
  • 視力低下や複視などの症状が現れる
  • 早期診断と適切な手術治療が重要

病態・原因

鈍的・穿孔性外傷、眼内異物などによって水晶体嚢や線維の損傷が生じ、蛋白変性や液化などを経て混濁する。外傷の種類(鈍的・鋭的)や程度によって発症様式や進行速度が異なる。

主症状・身体所見

視力低下が主症状で、混濁の部位や程度によっては複視や羞明もみられる。外傷歴のほか、虹彩離断や前房出血、眼内炎症を伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
眼科的細隙灯検査水晶体の混濁、嚢破損、虹彩損傷直接的な診断に有用
眼底検査視神経・網膜の合併損傷確認透明性低下で観察困難な場合あり
眼部超音波検査眼底観察不能時の網膜剥離評価特に穿孔外傷例で推奨

水晶体混濁の有無や程度、嚢破損の有無を確認し、外傷歴と合わせて診断する。眼底の観察が困難な場合は超音波検査を併用し、網膜剥離や眼内異物の有無も評価する。

治療

  • 第一選択:白内障手術(水晶体摘出+眼内レンズ挿入)
  • 補助療法:点眼薬による炎症・眼圧コントロール
  • 注意点:眼内異物や網膜損傷の合併があれば同時に対処

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
白内障外傷歴なし、加齢性や代謝性が多い進行は緩徐、外傷所見を欠く
ぶどう膜炎眼痛・充血・前房フレア前房炎症所見、混濁パターン異なる

補足事項

小児では外傷性白内障の診断や治療が遅れると弱視につながるため早期対応が重要となる。穿孔性外傷例では感染や眼内炎リスクにも留意する。

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