卵管狭窄・閉塞

概要

卵管狭窄・閉塞は、卵管の一部または全体が狭くなったり閉塞することで、卵子と精子の通過や受精卵の移動が妨げられる疾患である。不妊症の主要な原因の一つであり、炎症や手術既往、先天異常などが背景にある。卵管通過障害により自然妊娠が困難となる。

要点

  • 卵管の狭窄や閉塞は女性不妊の重要な原因である
  • 主な原因は感染や手術、子宮内膜症など多岐にわたる
  • 診断には画像検査や造影検査が用いられる

病態・原因

卵管の炎症(特にクラミジアや淋菌などの性感染症)、骨盤内手術後の癒着、子宮内膜症、先天的な形成異常などが主な原因となる。炎症や癒着によって卵管が狭窄・閉塞し、卵子や精子、受精卵の通過障害を生じる。

主症状・身体所見

自覚症状はほとんどないが、不妊症として発見されることが多い。骨盤内炎症が背景にある場合は、下腹部痛や発熱、帯下増加などがみられることもある。卵管留膿症や骨盤腹膜炎を合併する場合は圧痛や腫瘤触知を認めることもある。

検査・診断

検査所見補足
卵管造影(HSG)卵管の狭窄・閉塞像通過性や部位の特定に有用
超音波検査卵管拡張・腫大、周囲癒着所見卵管留水症・留膿症の評価
MRI/CT骨盤内癒着や他疾患の鑑別詳細な解剖評価に有効

卵管造影(HSG)は診断の第一選択であり、通過障害の部位や程度を把握する。超音波検査やMRIは、合併する卵管留水症や骨盤内癒着の評価に有用。腹腔鏡下で直接観察・評価することもある。

治療

  • 第一選択:腹腔鏡下卵管形成術や卵管開通術、体外受精(IVF)
  • 補助療法:抗菌薬投与(炎症合併時)、癒着予防対策
  • 注意点:再閉塞や癒着再発、卵管妊娠のリスク増大

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
子宮内膜症骨盤痛や月経困難症が目立つMRIで内膜症巣を認める
卵管留膿症発熱や下腹部痛を伴う超音波で腫大・液体貯留像
骨盤腹膜炎全身症状や圧痛、腹膜刺激症状白血球増多・炎症反応上昇

補足事項

卵管狭窄・閉塞は不妊症の評価で必須の鑑別であり、性感染症予防や早期治療が重要となる。体外受精(IVF)の適応になることも多く、患者の背景や希望に応じて治療方針を選択する。

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