動脈硬化

概要

動脈硬化は、動脈の内膜に脂質や線維成分が沈着し、血管壁が肥厚・硬化する疾患群の総称である。主にアテローム性動脈硬化が臨床的に重要で、心筋梗塞や脳梗塞など重篤な合併症の原因となる。加齢や生活習慣病が発症リスクを高める。

要点

  • 動脈壁の構造変化と血管内腔狭窄が進行する
  • 高血圧・糖尿病・脂質異常症などが主なリスク因子
  • 虚血性心疾患や脳血管障害の根本的要因となる

病態・原因

動脈硬化は動脈内膜に脂質(主にLDLコレステロール)が沈着し、慢性炎症や線維化を伴って血管壁が肥厚・硬化することで進行する。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、加齢、肥満などが主なリスク因子である。

主症状・身体所見

初期は無症状だが、進行により血流障害による狭心症、間欠性跛行、脳虚血症状などが出現する。血管の拍動減弱、血圧上昇、頸動脈雑音などが身体所見としてみられる場合がある。

検査・診断

検査所見補足
血液検査LDLコレステロール・中性脂肪高値動脈硬化のリスク評価
頸動脈エコープラーク形成、IMT(内中膜複合体)肥厚非侵襲的に進展度を評価
ABI(足関節上腕血圧比)0.9未満で末梢動脈疾患を示唆下肢血流障害のスクリーニング
CT/MRI血管造影動脈の狭窄・閉塞、石灰化詳細な血管病変の評価

動脈硬化症の診断は、危険因子の有無、臨床症状、非侵襲的検査(頸動脈エコーやABI)および画像検査による血管病変の確認を総合して行う。アテローム性プラークや血管石灰化が画像所見の特徴となる。

治療

  • 第一選択:生活習慣の修正(食事・運動)、スタチンなど脂質低下薬
  • 補助療法:血圧・血糖コントロール、抗血小板薬の投与
  • 注意点:禁煙指導、リスク因子の包括的管理、合併症の早期発見

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
閉塞性動脈硬化症下肢の間欠性跛行、冷感ABI低下、下肢血流障害
大動脈瘤無症状または拍動性腫瘤画像検査で瘤形成
高血圧症持続的な血圧上昇血圧測定、臓器障害の有無

補足事項

動脈硬化は全身の血管で進行しうるため、心血管疾患・脳血管障害・末梢動脈疾患など多彩な臨床像を呈する。近年は炎症や免疫異常の関与も注目されている。

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