勃起障害
概要
勃起障害(ED: Erectile Dysfunction)は、十分な勃起が得られない、または維持できないために満足な性交が行えない状態を指す。加齢、生活習慣病、精神的要因など多様な原因が関与し、男性のQOLに大きな影響を及ぼす。治療には原因に応じた多角的なアプローチが必要となる。
要点
- 器質性・心因性・混合型の3分類がある
- 生活習慣病や加齢が主なリスク因子
- 治療は薬物・心理療法・生活指導を組み合わせる
病態・原因
血管障害、神経障害、内分泌異常、薬剤性、精神的要因など多岐にわたる。糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が重要なリスク因子であり、加齢や喫煙、アルコール多飲も発症に関与する。心因性要素としてはストレスやうつ病、不安障害が挙げられる。
主症状・身体所見
主症状は十分な勃起の欠如または維持困難であり、性行為の満足度が低下する。身体所見は特異的なものに乏しいが、基礎疾患の身体所見(糖尿病性ニューロパチーや動脈硬化所見など)がみられる場合がある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 血糖・脂質異常・ホルモン異常の有無 | 糖尿病・低テストステロン等の評価 |
| 夜間勃起測定 | 夜間勃起の有無 | 器質性と心因性の鑑別に有用 |
| 超音波検査 | 陰茎血流障害 | 血管性EDの評価 |
診断は問診とスクリーニング質問票(IIEFなど)を用いて行い、必要に応じて血液検査や夜間勃起測定、陰茎超音波検査を追加する。器質性か心因性かの鑑別が重要となる。
治療
- 第一選択:PDE5阻害薬(シルデナフィルなど)の内服
- 補助療法:心理療法、生活習慣改善、基礎疾患の治療
- 注意点:心血管疾患合併例や硝酸薬服用中は禁忌
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 勃起不全 | 性的刺激時の勃起困難 | 夜間勃起の有無 |
| 持続勃起症 | 勃起が4時間以上持続し痛みを伴う | 持続的な陰茎勃起、疼痛 |
| 乏精子症 | 勃起は正常だが精子数が少ない | 精液検査で精子数減少 |
補足事項
生活習慣病の管理がEDの予防・治療に極めて重要である。近年は低テストステロン血症の関与や、うつ病など精神疾患との関連も注目されている。パートナーへの配慮やカウンセリングも治療の一環となる。