副鼻腔気管支症候群

概要

副鼻腔気管支症候群は、慢性副鼻腔炎と下気道疾患(主に気管支炎や気管支拡張症)が合併する疾患概念である。上気道と下気道の炎症が相互に影響し合い、難治性の咳や痰が持続することが特徴。アジア人に多く認められる。

要点

  • 慢性副鼻腔炎と気管支病変が同時に存在
  • 難治性の咳・痰、しばしば気管支拡張症を伴う
  • マクロライド少量長期療法が治療の中心

病態・原因

副鼻腔の慢性炎症が持続し、鼻汁が後鼻漏として下気道に流入することで気管支にも慢性炎症が波及する。好中球主体の炎症が特徴で、気道クリアランス障害や感染素因も関与する。

主症状・身体所見

持続する咳嗽や膿性痰、後鼻漏、鼻閉などがみられる。聴診で湿性ラ音を認めることがあり、重症例では気管支拡張症に伴うばち指が出現することもある。

検査・診断

検査所見補足
副鼻腔CT副鼻腔のびまん性陰影、液体貯留慢性副鼻腔炎の評価に有用
胸部CT気管支拡張、壁肥厚、線状影下気道病変の同定
喀痰細胞診好中球優位の炎症細胞感染や炎症の程度評価

副鼻腔CTで慢性副鼻腔炎所見、胸部CTで気管支拡張や壁肥厚などの下気道病変が確認される。診断は臨床症状と画像所見の両者から行う。

治療

  • 第一選択:マクロライド系抗菌薬の少量長期投与
  • 補助療法:去痰薬、吸入療法、鼻洗浄、必要に応じて副鼻腔手術
  • 注意点:治療中断で再発しやすい、耐性菌や副作用に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
慢性副鼻腔炎下気道症状が目立たない胸部CTで異常なし
気管支拡張症副鼻腔炎を伴わないことが多い副鼻腔CTで異常なし
気管支喘息可逆性気流制限、喘鳴が主症状呼吸機能検査異常

補足事項

日本ではびまん性汎細気管支炎と診断されていたケースも多いが、近年は副鼻腔気管支症候群の概念が広く認識されている。難治例では副鼻腔手術や吸入療法の併用を検討する。

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