前頭骨骨折

概要

前頭骨骨折は、前頭部への強い外力により発生する頭蓋骨骨折の一種で、特に交通事故や高所からの転落などで多く見られる。脳損傷や髄液漏などの合併症を伴いやすく、迅速な診断と治療が重要となる。顔面骨折の中でも重症度が高い部類に属する。

要点

  • 高エネルギー外傷により発生しやすい
  • 髄液漏や脳損傷など重篤な合併症を伴うことがある
  • 画像診断と全身管理が不可欠

病態・原因

前頭骨骨折は交通事故や転落、殴打などによる直接的な外力が前頭部に加わることで生じる。骨折線が副鼻腔や眼窩、頭蓋内に及ぶことも多く、骨折部位によっては脳損傷や髄液漏を合併しやすい。

主症状・身体所見

前頭部の腫脹、変形、皮下出血がみられるほか、髄液鼻漏や意識障害、眼球運動障害なども呈することがある。重症例では脳神経障害や眼球突出、視力障害を伴う場合もある。

検査・診断

検査所見補足
頭部CT前頭骨の骨折線、陥没、気腫、血腫骨折範囲や合併損傷評価に有用
頭部MRI脳実質損傷、硬膜下血腫、脳挫傷神経症状ある場合に追加
髄液検査髄液鼻漏の有無(β2-トランスフェリン)髄液漏疑い時に施行

骨折の診断には頭部CTが第一選択となり、骨折線の走行や副鼻腔・眼窩・頭蓋内への波及を評価する。髄液漏が疑われる場合はβ2-トランスフェリン検査が有用。神経症状や意識障害があればMRIで脳実質損傷を追加評価する。

治療

  • 第一選択:安静・頭部挙上・必要に応じて外科的整復固定
  • 補助療法:抗菌薬投与(感染予防)、止血、疼痛管理
  • 注意点:髄液漏や脳損傷の早期発見・感染予防・再発防止

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
鼻骨骨折鼻部の腫脹・変形・出血が主体CTで骨折部位明確
上顎骨折上顎部の動揺・咬合異常CTで骨折線の走行
側頭骨骨折耳漏・聴力障害・顔面神経麻痺CTで側頭骨骨折

補足事項

前頭骨骨折は髄液漏から髄膜炎を合併することがあり、感染予防のための抗菌薬投与や経過観察が重要となる。外科的治療の適応は骨折の陥没や脳圧迫症状、整容上の問題などを総合的に判断して決定される。

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