偽性血小板減少症

概要

偽性血小板減少症は、実際には血小板数が正常であるにもかかわらず、検体処理過程で血小板が凝集し、血算自動分析装置で血小板数が低値を示す現象である。臨床的な出血傾向は認められず、検査上のアーティファクトとして扱われる。

要点

  • 抗凝固剤(EDTA)依存性の血小板凝集が主な原因
  • 臨床的な出血症状はみられない
  • 正確な診断には末梢血塗抹標本の確認が重要

病態・原因

抗凝固剤(特にEDTA)存在下で血小板が凝集することにより、血算自動分析装置で血小板数が偽低値となる。これは血小板表面抗原に対する自己抗体が関与することが多い。患者自体の血小板機能や数は正常である。

主症状・身体所見

臨床的に出血傾向や紫斑などの症状は認められない。身体所見も特記すべき異常はなく、検査値異常のみが問題となる。

検査・診断

検査所見補足
血算自動分析血小板数低値EDTA採血で偽低値となる
末梢血塗抹標本血小板凝集像血小板の塊を認める

血算自動分析装置で血小板減少が指摘された際、末梢血塗抹標本の観察で血小板凝集を確認することが診断の決め手となる。他の抗凝固剤(クエン酸ナトリウム等)で再検査すると正常値となる。

治療

  • 第一選択:治療不要(臨床的意義なし)
  • 補助療法:再採血時に抗凝固剤を変更(クエン酸ナトリウム等)
  • 注意点:不要な精査や治療を避ける

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
特発性血小板減少性紫斑病出血傾向・皮下出血あり血小板数実際に減少
血栓性血小板減少性紫斑病溶血性貧血・神経症状血小板減少+溶血所見

補足事項

血小板減少が指摘された場合、まず偽性血小板減少症を念頭に置き、末梢血塗抹標本の確認が必須である。不要な治療や精査を避けるためにも、検査アーティファクトの知識が重要となる。

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