低カルシウム血症

概要

低カルシウム血症は血清カルシウム値が基準値より低下した状態を指し、神経・筋の過興奮や心電図異常を引き起こす。副甲状腺機能低下やビタミンD不足、腎障害など多様な原因がある。重症例では生命に関わることもあるため、迅速な診断と治療が重要となる。

要点

  • 神経・筋症状やテタニーが特徴的
  • 副甲状腺機能低下やビタミンD欠乏が主な原因
  • 急性・重症例では速やかな補正が必要

病態・原因

低カルシウム血症は副甲状腺ホルモン(PTH)分泌低下、ビタミンD欠乏、慢性腎不全、急性膵炎、薬剤(ビスホスホネートなど)や大量輸血など多彩な要因で生じる。PTH低下や作用不全、カルシウムの消費・喪失増加が主な病態生理である。

主症状・身体所見

テタニー(手足のしびれ、筋痙攣)、Chvostek徴候やTrousseau徴候の陽性、けいれん、精神症状、不整脈などがみられる。慢性例では皮膚乾燥や脱毛、白内障も認められることがある。

検査・診断

検査所見補足
血清カルシウム値低値アルブミン補正値に注意
血中PTH・ビタミンD低値または高値(原因により異なる)原因精査に有用
血清リン・マグネシウムしばしば異常を伴う続発性変化や鑑別に役立つ

診断は血清カルシウム値(補正値含む)の低下を確認し、PTHやビタミンD、リン、マグネシウムなどの関連項目を測定して原因を特定する。心電図でQT延長などの異常も参考となる。

治療

  • 第一選択:カルシウム製剤静注(重症例)、経口カルシウム補充(軽症例)
  • 補助療法:ビタミンD製剤投与、マグネシウム補正、原因疾患の治療
  • 注意点:急速補正による不整脈や軟部組織石灰化に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
偽性副甲状腺機能低下症PTH高値にもかかわらず低カルシウムPTH高値、尿中cAMP低値
ビタミンD欠乏症骨軟化症状や低リン血症を伴うこと25(OH)D低値、PTH高値
慢性腎臓病高リン血症や腎機能障害合併クレアチニン上昇、PTH高値

補足事項

慢性例では骨代謝異常や心血管合併症のリスクが高まる。治療中は定期的な電解質・腎機能・心電図モニタリングが推奨される。

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