乏突起膠腫

概要

乏突起膠腫は中枢神経系に発生する原発性脳腫瘍の一つで、乏突起膠細胞を起源とする。成人の脳腫瘍の中では比較的稀だが、側頭葉や前頭葉に好発し、進行は比較的緩徐である。

要点

  • 乏突起膠細胞由来の原発性脳腫瘍
  • てんかん発作や局所神経症状で発症することが多い
  • IDH変異や1p/19q共欠失の有無が診断・予後に重要

病態・原因

乏突起膠腫は中枢神経系のグリア細胞の一種である乏突起膠細胞から発生し、主に大脳半球の白質に生じる。原因としては遺伝子異常(IDH変異、1p/19q共欠失)が重要であり、これらの分子マーカーは診断や治療方針決定にも関与する。

主症状・身体所見

てんかん発作が初発症状となることが多く、頭痛や片麻痺、失語など局所神経症状もみられる。腫瘍の部位により症状は多彩で、進行は比較的ゆっくりである。

検査・診断

検査所見補足
MRI低〜等信号域、T2強調像で高信号、造影効果は乏しい腫瘍の境界明瞭な場合が多い
生検・遺伝子検査IDH1/2変異、1p/19q共欠失の有無分子診断が診断・予後判定に必須
CT低吸収域、石灰化を伴うことがある腫瘍の石灰化は乏突起膠腫の特徴の一つ

MRIで腫瘍の位置・広がりを評価し、確定診断には生検による組織学的・分子遺伝学的検査が必要。IDH変異と1p/19q共欠失の有無で分類・予後が異なる。

治療

  • 第一選択:外科的摘出術(可能な範囲で腫瘍摘出)
  • 補助療法:放射線治療、テモゾロミドなどの化学療法
  • 注意点:分子マーカーに応じた治療選択、定期的な画像フォローアップ

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
星細胞腫1p/19q共欠失なし、石灰化少ない分子病理(IDHのみ変異、1p/19qなし)
膠芽腫境界不明瞭、高度増殖、造影効果強いMRIで増強効果、壊死・浮腫が目立つ
髄膜腫硬膜付着、造影効果顕著、石灰化ありCT/MRIで造影増強、硬膜尾徴候

補足事項

乏突起膠腫は分子診断の進歩により、IDH変異や1p/19q共欠失の有無で治療方針や予後が大きく異なる。WHO分類もこれらの分子所見を重視するようになっている。

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