中枢神経系原発性悪性リンパ腫
概要
中枢神経系原発性悪性リンパ腫は、脳や脊髄、髄膜など中枢神経系に発生する悪性リンパ腫であり、全身性リンパ腫とは独立して発生する。代表的にはB細胞系の非Hodgkinリンパ腫が多い。免疫不全状態で発症リスクが高まる。
要点
- 脳や脊髄など中枢神経系に原発する悪性リンパ腫
- 免疫不全患者に多く、進行が比較的速い
- 画像診断と組織生検による確定診断が重要
病態・原因
中枢神経系原発性悪性リンパ腫は、多くがB細胞系の非Hodgkinリンパ腫で、エプスタイン・バーウイルス(EBV)感染やHIV感染などによる免疫不全状態が発症リスクとなる。血液脳関門の存在により、全身のリンパ腫とは独立して発生する。
主症状・身体所見
頭痛、認知機能障害、運動麻痺、けいれん、視力障害など、腫瘍の局在による多彩な神経症状を呈する。進行が速く、意識障害や急速な神経症状悪化を認めることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| MRI | 境界不明瞭で造影効果を示す腫瘤影 | T1強調像で等〜低信号 |
| 脳生検 | 異型リンパ球の腫瘍性増殖 | 免疫染色でB細胞マーカー陽性 |
| 腰椎穿刺 | 髄液中にリンパ腫細胞 | 髄液細胞診が有用 |
画像所見としては単発または多発の腫瘤影が脳深部(脳室周囲や大脳基底核)に認められ、造影MRIで均一な増強効果を示す。確定診断には脳生検による組織学的診断が必要である。
治療
- 第一選択:大量メトトレキサートを中心とした化学療法
- 補助療法:放射線療法、ステロイド投与
- 注意点:免疫抑制状態の管理、再発時の治療選択
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 膠芽腫 | 不規則な腫瘍境界・壊死傾向 | MRIでリング状増強・壊死像 |
| 転移性脳腫瘍 | 多発性・既往の悪性腫瘍 | 原発巣検索で確定 |
| 脳膿瘍 | 感染症状・周囲浮腫が強い | 拡散強調画像で高信号 |
補足事項
HIV感染患者では発症リスクが高く、予後も不良となる傾向がある。治療に対する反応性は高いが、再発率も高く長期管理が重要となる。