上強膜炎・強膜炎
概要
上強膜炎・強膜炎は、眼球の外層に位置する強膜およびその表層(上強膜)に生じる炎症性疾患である。上強膜炎は比較的軽度で予後良好だが、強膜炎は重症化しやすく、失明のリスクもある。自己免疫疾患との関連が多い。
要点
- 上強膜炎は軽度で自然治癒することが多い
- 強膜炎は疼痛・視力障害を伴い重症化しやすい
- 自己免疫疾患や全身性疾患の合併に注意
病態・原因
上強膜炎は主に特発性で、軽度の炎症が上強膜に限局する。強膜炎は全身性の自己免疫疾患(関節リウマチなど)や感染症が原因となり、深部の強膜組織に炎症が波及し組織破壊をきたすこともある。
主症状・身体所見
上強膜炎は軽度の眼痛、充血、異物感が主で、視力障害はほとんどない。強膜炎は高度な眼痛、充血、しばしば視力低下を伴い、眼球圧痛や強膜の菲薄化、青色調の変色が認められることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 細隙灯顕微鏡検査 | 充血の部位・深さ | 上強膜炎は表層、強膜炎は深層の血管拡張・浸潤 |
| 超音波生体顕微鏡 | 強膜の肥厚・菲薄化 | 強膜炎の範囲や深達度評価に有用 |
| 血液検査 | 炎症反応・自己抗体 | 全身性疾患の検索目的 |
上強膜炎と強膜炎の鑑別には細隙灯顕微鏡での血管の深さや圧痛の有無が重要。強膜炎では全身性疾患の精査も行う。
治療
- 第一選択:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)点眼または内服(上強膜炎)、全身性ステロイド(強膜炎)
- 補助療法:冷罨法、免疫抑制薬(重症例や再発例)
- 注意点:感染性病因の除外、全身性疾患の合併検索
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 結膜炎 | 表層性充血・分泌物 | 細隙灯で表層血管のみ/分泌物あり |
| ぶどう膜炎 | 前房炎症・虹彩癒着 | 細隙灯で前房フレア・セル、虹彩変化 |
補足事項
強膜炎は失明リスクが高いため、早期診断と全身疾患の精査・治療が必須。上強膜炎は予後良好だが、再発例や難治例では全身疾患の精査を行う。