リウマチ性多発筋痛症
概要
リウマチ性多発筋痛症は、高齢者に発症する原因不明の炎症性疾患で、四肢近位部の筋肉痛とこわばりを特徴とする。血液検査で炎症反応の上昇を認め、巨細胞性動脈炎との合併も重要な臨床的特徴である。
要点
- 四肢近位部の筋痛と朝のこわばりが主症状
- 高齢者に好発し、炎症反応の上昇を伴う
- 巨細胞性動脈炎との関連が重要
病態・原因
加齢に伴う免疫調節異常が関与し、全身性の炎症反応が起こる。明確な原因は不明だが、自己免疫機序が示唆されている。巨細胞性動脈炎との関連性も高い。
主症状・身体所見
肩や腰帯部の筋肉痛とこわばりが特徴で、特に朝に強い。発熱や全身倦怠感、体重減少を伴うこともある。筋力低下は軽度または認めない場合が多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血清CRP・ESR | 著明な上昇 | 炎症反応の指標 |
| 筋酵素 | 正常または軽度上昇 | 筋炎との鑑別に有用 |
| 自己抗体 | 通常陰性 | 関節リウマチなどと区別 |
診断は臨床症状と炎症反応上昇に基づき、他疾患(多発性筋炎、関節リウマチなど)を除外して行う。画像検査(超音波やMRI)で滑膜炎や滑液包炎を認めることがある。
治療
- 第一選択:低用量ステロイド(プレドニゾロン)
- 補助療法:骨粗鬆症予防、ビタミンD・カルシウム補充
- 注意点:ステロイド漸減時の再燃や巨細胞性動脈炎の合併に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 多発性筋炎 | 筋力低下が主体、筋酵素上昇 | CK,AST,ALT上昇 |
| 関節リウマチ | 関節炎・関節変形が主体 | RF,抗CCP抗体陽性 |
| 線維筋痛症 | 圧痛点、炎症反応は陰性 | CRP,ESR正常 |
補足事項
巨細胞性動脈炎の合併時は失明リスクがあり、早期診断・治療が重要となる。近年、超音波やMRIによる画像診断の活用が進んでいる。