ベリリウム肺

概要

ベリリウム肺は、ベリリウムへの曝露によって発症する慢性型の肉芽腫性間質性肺疾患である。主に職業性曝露が原因で、進行性の呼吸障害をきたす。サルコイドーシスに類似した臨床像を呈することが特徴。

要点

  • ベリリウム曝露歴が診断の鍵
  • 肉芽腫性間質性肺炎を呈し慢性経過
  • サルコイドーシスとの鑑別が重要

病態・原因

ベリリウム肺は、金属ベリリウムやその化合物への吸入曝露により感作された個体で発症するⅣ型アレルギー反応である。曝露は主に工業現場や精錬、電子部品製造などで生じる。感作されたリンパ球による免疫反応が持続し、肺に非乾酪性肉芽腫を形成する。

主症状・身体所見

労作時呼吸困難、乾性咳嗽が主症状であり、進行例ではばち指やチアノーゼも出現する。聴診では捻髪音を認めることがある。無症状で偶発的に発見されることもあり、サルコイドーシスに似たリンパ節腫脹や皮膚病変を伴うこともある。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線/CT両側肺門リンパ節腫脹、網状影、すりガラス影サルコイドーシス様所見
ベリリウムリンパ球増殖試験(BeLPT)陽性感作の証明に有用
肺生検非乾酪性肉芽腫組織学的確定診断

診断は労働歴・曝露歴の確認、BeLPT陽性、組織学的に非乾酪性肉芽腫の証明が必要。画像所見はサルコイドーシスに酷似し、鑑別が重要となる。

治療

  • 第一選択:ベリリウム曝露の回避と副腎皮質ステロイド投与
  • 補助療法:酸素投与、呼吸リハビリテーション
  • 注意点:曝露継続で進行するため、職場環境管理が必須

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
サルコイドーシスベリリウム曝露歴なし、全身症状多いBeLPT陰性、ACE高値
珪肺珪素曝露歴、上肺野優位の結節影肺野結節・卵殻状石灰化

補足事項

サルコイドーシスとの鑑別が困難な場合が多く、ベリリウム曝露歴とBeLPTの活用が重要。早期発見・曝露回避が進行予防の鍵となる。職業性疾患として法的対応も必要。

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