シスチン蓄積症
概要
シスチン蓄積症は、リソソーム内にシスチンが異常に蓄積する常染色体劣性遺伝疾患である。主に腎臓、眼、甲状腺、筋肉など多臓器に障害を生じ、進行性の腎不全や成長障害を特徴とする。乳幼児期から発症し、早期診断と治療が重要となる。
要点
- リソソーム内シスチン蓄積による多臓器障害
- 進行性腎不全や成長障害が主症状
- 早期診断・治療で予後改善が期待される
病態・原因
CTNS遺伝子変異によりリソソーム膜上のシスチン輸送体(シスチノシン)が欠損し、シスチンがリソソーム内に蓄積する。常染色体劣性遺伝形式をとり、発症には両親からの変異遺伝子継承が必要である。
主症状・身体所見
乳幼児期からの成長障害、腎性Fanconi症候群による多尿・脱水・低身長、進行性腎不全、光を反射する角膜結晶沈着、筋力低下や甲状腺機能低下などがみられる。重症例では糖尿病や筋障害も合併する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 角膜検査 | 角膜内結晶沈着 | スリットランプで確認 |
| 尿検査 | アミノ酸尿・糖尿 | Fanconi症候群の所見 |
| 血液検査 | 電解質異常・腎機能低下 | 進行例で顕著 |
| 白血球シスチン量測定 | 高値 | 診断の決め手 |
白血球内シスチン量の上昇が診断の決定打となる。角膜結晶の観察や腎性Fanconi症候群の存在も重要な手がかりであり、遺伝子解析で確定診断が可能。
治療
- 第一選択:シスチン除去薬(システアミン)
- 補助療法:腎症状への支持療法、電解質補正、ビタミンD補充
- 注意点:腎不全進行例では腎移植も検討、早期治療が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Fanconi症候群 | 低身長・多尿・アミノ酸尿 | 角膜結晶なし、白血球シスチン正常 |
| シスチン尿症 | 尿路結石・シスチン尿 | 腎以外の臓器障害なし |
補足事項
シスチン蓄積症は新生児スクリーニングの対象外であり、診断の遅れが予後に影響する。腎移植後も全身症状は持続するため、全身管理が必要である。