シスチン尿症

概要

シスチン尿症は、腎尿細管におけるシスチンの再吸収障害により尿中にシスチンが過剰に排泄され、難溶性のシスチン結石を形成する常染色体劣性遺伝疾患である。小児期から若年成人に多く発症し、再発性の尿路結石が特徴となる。

要点

  • シスチン結石による尿路結石の再発が主徴
  • 常染色体劣性遺伝で家族歴がみられることが多い
  • 早期診断・再発予防が腎機能温存に重要

病態・原因

腎尿細管におけるシスチンおよびジベーシックアミノ酸(リジン、アルギニン、オルニチン)の再吸収障害が原因となる。シスチンは尿中で難溶性のため、過剰排泄により結石を形成しやすい。遺伝形式は常染色体劣性遺伝である。

主症状・身体所見

反復する尿路結石発作(側腹部痛、血尿、排尿障害)が主な症状である。小児期から発症することが多く、腎疝痛や尿路閉塞による腎機能障害もみられる。結石の再発率が高い点が特徴的である。

検査・診断

検査所見補足
尿検査六角形結晶の出現シスチン結晶が特徴的
尿アミノ酸分析シスチン・ジベーシックアミノ酸の高値シスチン尿症の確定診断に有用
画像検査(CT/超音波)尿路結石の確認結石の性状・位置を評価

尿沈渣で六角形のシスチン結晶が認められる場合、シスチン尿症を強く疑う。尿アミノ酸分析でシスチンおよびジベーシックアミノ酸の尿中排泄増加を確認することで診断が確定する。画像検査は結石の存在や腎機能障害の評価に用いる。

治療

  • 第一選択:水分摂取増加と尿アルカリ化(クエン酸カリウム等)
  • 補助療法:チオール系薬剤(D-ペニシラミン、チオプロニン)投与
  • 注意点:再発予防のための長期管理と定期的な腎機能評価

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
腎・尿路結石結石成分がシュウ酸カルシウムや尿酸尿中六角形結晶なし、アミノ酸排泄正常
Fanconi症候群低分子蛋白尿・アミノ酸尿・糖尿シスチン以外のアミノ酸も異常に排泄

補足事項

遺伝子診断により確定診断が可能になっている。再発性結石による腎機能障害の進行を防ぐため、患者教育と生涯にわたる管理が重要である。

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