グロムス腫瘍

概要

グロムス腫瘍は、主に指先や爪下に発生する良性の血管周囲細胞(グロムス細胞)由来の腫瘍である。強い圧痛や冷感過敏を特徴とし、皮膚科・整形外科領域で重要な疾患である。多くは孤発性であり、悪性化は稀である。

要点

  • 指先や爪下に好発する良性軟部腫瘍
  • 圧痛・冷感過敏・自発痛が三徴
  • 手術的摘出で根治が可能

病態・原因

グロムス腫瘍は、体温調節に関与するグロムス器官のグロムス細胞が腫瘍化したものである。外傷や遺伝的素因は明確でなく、ほとんどが孤発性である。稀に多発例や遺伝性も報告されている。

主症状・身体所見

代表的な症状は強い圧痛、冷感過敏、自発痛の三徴であり、特に爪下部に発生することが多い。小さな青紫色結節として観察されることもあり、触診で限局した圧痛点を認める。

検査・診断

検査所見補足
超音波検査低エコー域の腫瘤血流増加がみられる
MRIT1低信号・T2高信号の腫瘤境界明瞭な結節状病変
X線骨の圧迫像や骨欠損爪下病変で有用

臨床症状と圧痛点の確認が診断の基本となる。画像検査(特にMRI)は腫瘍の位置や範囲を明確にし、手術計画に役立つ。悪性との鑑別には組織診断が必要。

治療

  • 第一選択:外科的摘出術
  • 補助療法:術後の創部管理・疼痛対策
  • 注意点:再発防止のため完全摘出を目指す

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
ガングリオン圧痛・冷感過敏なしMRIで内容物の違い
母斑圧痛や冷感過敏なし皮膚鏡所見で区別可能
血管腫圧痛や冷感過敏が乏しい超音波で血流パターン異なる

補足事項

グロムス腫瘍は稀な疾患だが、指先の難治性疼痛の鑑別として重要である。再発例では多発や不完全摘出が原因となるため、術前画像評価が特に重要である。

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