イソニアジドニューロパチー

概要

イソニアジドニューロパチーは、抗結核薬イソニアジドの副作用として発症する末梢神経障害である。主に手足のしびれや感覚障害がみられ、重症例では運動障害も出現する。ビタミンB6(ピリドキシン)欠乏が発症機序の中心である。

要点

  • イソニアジド投与中の末梢神経障害
  • ビタミンB6欠乏が発症の主因
  • 予防・治療にはピリドキシン補充が有効

病態・原因

イソニアジドはピリドキシン(ビタミンB6)の代謝を阻害し、神経伝達物質合成障害を引き起こす。これにより主に感覚神経優位の末梢神経障害が生じる。糖尿病やアルコール依存症など、もともとピリドキシン欠乏になりやすい患者でリスクが高い。

主症状・身体所見

手足のしびれや灼熱感、感覚鈍麻などの感覚障害が主体で、進行すると筋力低下や運動障害も認められる。主に左右対称性で、下肢から上行性に出現することが多い。

検査・診断

検査所見補足
神経伝導速度検査伝導速度低下感覚神経優位の障害を示す
血清ビタミンB6測定低値欠乏の確認
血液検査肝機能障害や他の原因除外

イソニアジド投与歴、症状の経過、ビタミンB6低下の有無が診断の決め手となる。鑑別のため他の末梢神経障害や代謝異常も除外する。

治療

  • 第一選択:イソニアジド中止または減量、ピリドキシン(ビタミンB6)補充
  • 補助療法:対症療法(鎮痛薬、リハビリテーションなど)
  • 注意点:リスク患者には予防的ピリドキシン投与を行う

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
糖尿病性ニューロパチー糖尿病既往、血糖コントロール不良HbA1c高値、糖尿病性変化
ビタミンB欠乏性ニューロパチー他のB群ビタミン欠乏症状ビタミンB1/B12低値
ギラン・バレー症候群急性発症、運動麻痺主体髄液蛋白細胞解離

補足事項

ピリドキシン補充による予防が推奨されるが、高用量投与は逆に神経障害を引き起こすことがあるため注意が必要。イソニアジド投与中は定期的な神経学的評価が望ましい。

関連疾患