アレルギー性気管支肺アスペルギルス症

概要

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)は、主に気管支喘息や嚢胞性線維症患者に発症するアスペルギルス属真菌に対する過敏反応性肺疾患である。気道での免疫反応による慢性的な気道炎症と好酸球増多、気管支拡張などが特徴となる。治療を怠ると不可逆的な気道障害をきたす。

要点

  • アスペルギルス属真菌に対するアレルギー反応が主病態
  • 気管支喘息や嚢胞性線維症患者に好発
  • 画像・血清学的検査と臨床経過から診断

病態・原因

アスペルギルス(主にA. fumigatus)の気道内定着に対し、IgEおよびIgGを介した免疫応答が過剰に生じることで発症する。既存の気道疾患(喘息、嚢胞性線維症)がリスク因子となる。慢性的な気道炎症や粘液栓形成、好酸球浸潤、気管支壁の損傷が進行する。

主症状・身体所見

慢性咳嗽、喘鳴、喀痰、呼吸困難が主症状で、しばしば血痰を伴う。発熱や体重減少もみられることがある。身体所見では喘息様ラ音や湿性ラ音が聴取されることが多い。

検査・診断

検査所見補足
血清IgE値高値総IgEおよびアスペルギルス特異的IgE上昇
胸部CT中枢型気管支拡張、粘液栓グラウンドグラス影や浸潤影も
喀痰検査好酸球増多、アスペルギルス菌糸培養でアスペルギルス検出
血清沈降抗体陽性アスペルギルスIgG抗体

診断は喘息や嚢胞性線維症の既往、血清IgE高値、アスペルギルス特異的IgE・IgG陽性、胸部画像の特徴的所見、好酸球増多など複数の基準を総合して行う。画像では中枢型気管支拡張や粘液栓形成が典型的。

治療

  • 第一選択:全身性副腎皮質ステロイド投与
  • 補助療法:抗真菌薬(イトラコナゾールなど)、吸入療法、気道クリアランス
  • 注意点:再発予防のため定期的な経過観察とIgEモニタリング

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
気管支喘息アスペルギルス抗体陰性・画像異常なしIgE選択的上昇なし
慢性肺アスペルギルス症慢性肺病変・空洞形成IgEよりIgG優位、画像で空洞性病変

補足事項

ABPAは早期発見・治療が重要であり、喘息患者でコントロール不良例や画像異常例では本疾患を念頭に置く。近年は生物学的製剤の有効性も検討されている。

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