アミロイド腎症
概要
アミロイド腎症は、アミロイド蛋白が腎臓に沈着し、腎機能障害を引き起こす疾患。多くは全身性アミロイドーシスに伴い、進行すると腎不全へ至る。蛋白尿やネフローゼ症候群、腎機能低下が主な臨床像となる。
要点
- アミロイド蛋白の腎沈着による腎障害
- 蛋白尿やネフローゼ症候群、腎不全が主徴候
- 原因疾患の治療と腎機能管理が重要
病態・原因
主に全身性アミロイドーシス(AL型、AA型など)に起因し、異常蛋白(アミロイド)が糸球体、血管、間質に沈着する。慢性炎症性疾患や多発性骨髄腫、家族性アミロイドーシスなどがリスク因子となる。
主症状・身体所見
大量の蛋白尿やネフローゼ症候群、浮腫、進行性腎機能障害が典型的。高血圧や腎性貧血、時に難治性の浮腫がみられる。早期には無症状のこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 尿検査 | 蛋白尿、顆粒円柱 | ネフローゼ型蛋白尿が多い |
| 血液検査 | 腎機能障害、低アルブミン血症 | AL型ではM蛋白陽性例も |
| 腎生検 | アミロイド沈着 | Congo red染色で橙赤色、偏光下で黄緑色 |
確定診断には腎生検でのアミロイド沈着証明が必須。Congo red染色や電子顕微鏡所見が診断の決め手となる。血清蛋白電気泳動や免疫固定法で基礎疾患検索も行う。
治療
- 第一選択:原因疾患(多発性骨髄腫、慢性炎症など)の治療
- 補助療法:浮腫・高血圧・蛋白尿に対する対症療法、腎代替療法(透析)
- 注意点:腎不全進行例では早期の腎代替療法導入を検討
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 糖尿病性腎症 | 糖尿病の既往、網膜症合併 | 糖尿病歴、特有の糸球体変化 |
| ループス腎炎 | SLEの全身症状、免疫複合体沈着 | 抗核抗体、免疫染色陽性 |
| 原発性ネフローゼ症候群 | 小児・若年者に多い、急性発症 | 生検でアミロイド陰性 |
補足事項
アミロイド腎症は進行が緩徐なことも多く、早期発見・基礎疾患の制御が予後改善に重要。近年は新規治療薬や造影診断法の進歩もみられる。