アスピリン喘息
概要
アスピリン喘息は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、特にアスピリンの服用により誘発される喘息発作を特徴とする疾患である。成人発症型の喘息で、慢性副鼻腔炎や鼻茸を合併しやすい。気道過敏性の亢進と好酸球性炎症が主な病態である。
要点
- NSAIDs服用により喘息発作や鼻症状が誘発される
- 慢性副鼻腔炎や鼻茸の合併が多い
- 気道の好酸球性炎症が病態の中心
病態・原因
アスピリンや他のNSAIDsによりシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害が起こり、ロイコトリエン産生が亢進することで気道収縮と炎症が生じる。遺伝的素因や基礎疾患として喘息・慢性副鼻腔炎の存在がリスクとなる。
主症状・身体所見
アスピリンやNSAIDs服用後数分〜数時間で喘鳴、咳嗽、呼吸困難などの喘息症状が現れる。鼻閉や水様性鼻汁、嗅覚障害、鼻茸の形成も特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 呼吸機能検査 | 可逆性気流制限 | 気管支拡張薬で改善 |
| 好酸球数・IgE | 好酸球増多 | アトピー型合併例も |
| NSAIDs負荷試験 | 発作誘発 | 診断確定に有用 |
アスピリンまたはNSAIDs服用と発作の時間的関連、慢性副鼻腔炎・鼻茸の合併、好酸球増多などを総合して診断する。NSAIDs負荷試験は安全管理下でのみ実施。
治療
- 第一選択:ロイコトリエン受容体拮抗薬、吸入ステロイド、長時間作用型β2刺激薬
- 補助療法:抗ヒスタミン薬、鼻茸に対する手術、アスピリン脱感作療法
- 注意点:NSAIDsの回避、発作時の迅速な対応、合併症管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 気管支喘息 | NSAIDs服用と無関係 | NSAIDs負荷で発作なし |
| アレルギー性鼻炎 | 気道症状が軽い、季節性 | 呼吸機能異常なし |
補足事項
アスピリン喘息は中年以降の女性に多く、日常的なNSAIDs摂取歴の聴取が重要である。COX-2選択的薬剤は比較的安全とされるが、慎重な使用が必要。