吸着薬
概要
吸着薬は、腸管内の有害物質や毒素、ガスなどを吸着し、体外への排泄を促進する薬剤群である。主に消化管疾患や中毒、慢性腎不全時の尿毒素除去などに用いられる。消化管からの全身吸収はほとんどない。
要点
- 腸管内で有害物質や毒素を吸着し排泄を促進する
- 消化器疾患や中毒、慢性腎不全など幅広い用途がある
- 副作用として便秘や腸閉塞に注意が必要
薬理作用・機序
吸着薬は主に腸管内で高分子構造や多孔質構造を利用し、毒素やガス、薬物、尿毒素などを物理的に吸着する。これにより有害物質の全身吸収を阻害し、糞便中に排泄させる。
禁忌・副作用
腸閉塞や重度の便秘患者には禁忌とされる。副作用としては便秘、腹部膨満感、まれに腸閉塞や腸穿孔が報告されている。長期使用時にはビタミンやミネラルの吸収障害にも注意が必要。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| 急性胃腸炎 | 有害物質の吸着 | 下痢や食中毒時に使用 |
| 慢性腎臓病 | 尿毒素の吸着・除去 | 尿毒症症状の緩和目的 |
| 薬物中毒 | 毒物・薬物の吸着 | 活性炭などが代表的 |
吸着薬は、消化管内の毒素や有害物質、尿毒素、薬物など幅広い原因に対して用いられる。特に急性胃腸炎や食中毒、慢性腎臓病の尿毒症、薬物中毒時の初期治療として重要な役割を担う。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| 活性炭製剤 | 薬物中毒、食中毒 |
| ポリフル(ポリカルボフィルカルシウム) | 下痢、過敏性腸症候群 |
| AST-120(クレメジン) | 慢性腎臓病の尿毒素除去 |
補足事項
吸着薬は腸管内でのみ作用し、全身性の副作用は少ないが、他の薬剤の吸収を妨げることがあるため、併用薬の投与間隔に注意が必要。慢性腎臓病患者では長期投与例が多く、便秘対策も重要となる。