駆虫薬

概要

駆虫薬は人体に寄生する各種の線虫・吸虫・条虫などの寄生虫を排除するために用いられる薬剤群である。主に消化管寄生虫感染症の治療に使用され、薬剤ごとに標的とする寄生虫が異なる。日本では主に回虫症、蟯虫症、鞭虫症、糞線虫症などに対して使用される。

要点

  • 対象となる寄生虫ごとに薬剤選択が異なる
  • 作用機序は寄生虫の神経・代謝阻害など多様
  • 副作用や再感染防止のための衛生指導が重要

薬理作用・機序

駆虫薬は寄生虫の神経筋遮断、エネルギー代謝阻害、細胞骨格障害などを引き起こし、寄生虫の運動障害や死滅をもたらす。たとえばメベンダゾールやアルベンダゾールは微小管形成阻害、ピランテルは神経筋遮断作用を示す。

禁忌・副作用

妊娠中や重篤な肝障害患者では一部薬剤が禁忌となる。副作用としては消化器症状(悪心、腹痛、下痢)、過敏症反応、稀に肝障害や血液障害がみられる。大量寄生虫死滅時にはアレルギー症状や腸閉塞が生じることがある。

適応疾患

疾患薬理作用補足
回虫症微小管形成阻害アルベンダゾールなど
蟯虫症神経筋遮断ピランテルパモ酸塩など
鞭虫症微小管形成阻害メベンダゾールなど
糞線虫症微小管形成阻害イベルメクチンも適応

駆虫薬は主に消化管寄生虫感染症に用いられ、回虫、蟯虫、鞭虫、糞線虫などの線虫感染症のほか、一部は吸虫・条虫症にも適応がある。感染経路や生活環境の改善も再感染予防に重要である。

薬品例

薬品名主に使われるケース
アルベンダゾール回虫症、鞭虫症、糞線虫症
メベンダゾール回虫症、鞭虫症、蟯虫症
ピランテルパモ酸塩蟯虫症、回虫症
イベルメクチン糞線虫症

補足事項

駆虫薬の選択は寄生虫種ごとに異なるため、正確な診断が重要となる。再感染防止のため、患者および家族への衛生指導や集団治療の検討も必要である。日本では寄生虫症の発生頻度は低下しているが、輸入症例や集団発生例に注意する。

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