陰イオン交換樹脂

概要

陰イオン交換樹脂は、腸管内で特定の陰イオン(主にリン酸イオンや胆汁酸など)を吸着・交換することで体内への吸収を抑制する薬剤群である。主に高リン血症や難治性下痢などの治療に用いられる。腎不全患者の高リン血症管理において重要な役割を担う。

要点

  • 腸管内で陰イオン(リン酸、胆汁酸など)を吸着・除去する
  • 主に高リン血症や胆汁酸性下痢の治療に用いられる
  • 長期投与では電解質異常や消化器症状に注意が必要

薬理作用・機序

陰イオン交換樹脂は腸管内でリン酸や胆汁酸などの陰イオンと結合し、不溶性複合体を形成して糞便中に排泄させる。これにより体内への吸収を抑制し、血中リン濃度や胆汁酸による下痢症状を改善する。

禁忌・副作用

腸閉塞や重篤な便秘のある患者には禁忌となる。副作用としては便秘、悪心、腹部膨満、腸閉塞、低カルシウム血症や低マグネシウム血症などの電解質異常が報告されている。

適応疾患

疾患薬理作用補足
高リン血症リン酸吸着・排泄主に慢性腎不全患者で使用
難治性下痢胆汁酸吸着胆汁酸性下痢や短腸症候群など

高リン血症は慢性腎臓病や腎不全患者で頻発し、陰イオン交換樹脂はリンの吸収抑制目的で投与される。胆汁酸性下痢や短腸症候群など、胆汁酸の腸管内過剰による下痢にも適応がある。

薬品例

薬品名主に使われるケース
ポリスチレンスルホン酸カルシウム高リン血症(慢性腎臓病・透析患者)
コレスチラミン胆汁酸性下痢、脂質異常症

補足事項

近年は陰イオン交換樹脂以外にも非カルシウム系リン吸着薬(セベラマーなど)が登場しているが、コストや副作用プロファイルにより選択される。胆汁酸吸着目的では脂溶性ビタミン吸収障害にも留意する。

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