認知症治療薬

概要

認知症治療薬は、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などの認知機能障害に対して用いられる薬剤群である。主に神経伝達物質の調節を介して症状の進行抑制や一部症状の改善を目指す。疾患の根本治療ではなく、症状緩和やQOL向上が主な目的となる。

要点

  • コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬が主流
  • 症状進行抑制や一部認知機能改善を目的とする
  • 根治療法ではなく副作用管理も重要

薬理作用・機序

コリンエステラーゼ阻害薬はアセチルコリン分解を抑制し、神経伝達を増強する。NMDA受容体拮抗薬は過剰なグルタミン酸による神経毒性を抑制し、神経細胞の保護作用を示す。

禁忌・副作用

重度の肝障害や徐脈、消化性潰瘍などが禁忌となる場合がある。副作用としては消化器症状(悪心、嘔吐、下痢)、徐脈、めまい、興奮、不眠などが報告されている。

適応疾患

疾患薬理作用補足
Alzheimer型認知症コリンエステラーゼ阻害・NMDA拮抗進行抑制・症状改善
Lewy小体型認知症コリンエステラーゼ阻害精神症状にも有効
脳血管性認知症一部でコリンエステラーゼ阻害エビデンスは限定的

アルツハイマー型認知症を中心に、レビー小体型認知症や脳血管性認知症などの認知機能障害に対して用いられる。疾患の進行抑制や一部の精神症状・行動症状の改善を目的とする。

薬品例

薬品名主に使われるケース
ドネペジル塩酸塩アルツハイマー型認知症全般
ガランタミン臭化水素酸塩軽度~中等度アルツハイマー型認知症
リバスチグミン軽度~中等度アルツハイマー型認知症、Lewy小体型認知症
メマンチン塩酸塩中等度~高度アルツハイマー型認知症

補足事項

日本ではコリンエステラーゼ阻害薬3剤とNMDA受容体拮抗薬1剤が承認されている。治療効果は個人差が大きく、非薬物療法との併用が推奨される。副作用出現時は減量や中止を検討する。

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