血栓溶解薬(t-PA)
概要
血栓溶解薬(t-PA)は、血管内に形成された血栓を溶解するために用いられる薬剤群で、主にアルテプラーゼなどの組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)が代表的である。急性期脳梗塞や急性心筋梗塞など、迅速な血流再開が求められる疾患で使用される。出血リスクを伴うため、適応と禁忌の判断が重要となる。
要点
- t-PAはプラスミノーゲンを活性化し血栓を溶解する
- 脳梗塞や心筋梗塞の急性期治療に用いられる
- 重篤な出血などの副作用に注意が必要
薬理作用・機序
t-PAは血中のプラスミノーゲンをプラスミンに変換し、フィブリンを分解することで血栓を溶解する。フィブリン依存性が高く、血栓部位で選択的に作用する特徴を持つ。
禁忌・副作用
脳出血や消化管出血などの出血性疾患、重篤な高血圧、最近の外科手術や外傷例では禁忌とされる。主な副作用は出血(特に頭蓋内出血、消化管出血)、アレルギー反応などが挙げられる。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| 脳梗塞 | 血栓溶解作用 | 発症4.5時間以内が原則 |
| 急性心筋梗塞 | 血栓溶解作用 | 発症12時間以内が目安 |
| 肺血栓塞栓症 | 血栓溶解作用 | 重症例や循環動態不安定時 |
t-PAは主に急性期の脳梗塞、急性心筋梗塞、重症肺血栓塞栓症など、血栓による血流遮断が生命予後に直結する疾患で用いられる。適応は発症からの時間や出血リスクを厳密に評価して決定される。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| アルテプラーゼ | 急性期脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓 |
| モンテプラーゼ | 急性心筋梗塞 |
補足事項
t-PAは発症からの時間制限や厳格な適応基準が設けられており、使用前に画像診断や出血リスク評価が必須となる。日本ではアルテプラーゼが脳梗塞に、モンテプラーゼが心筋梗塞に使用されることが多い。