抗IL-23p19抗体

概要

抗IL-23p19抗体は、インターロイキン23(IL-23)のp19サブユニットを標的とするモノクローナル抗体である。主に炎症性疾患の治療に用いられ、自己免疫疾患に対する新規生物学的製剤として注目されている。

要点

  • IL-23のp19サブユニットに特異的に結合し、炎症性サイトカインの産生を抑制
  • 乾癬や炎症性腸疾患などの自己免疫疾患に有効
  • 既存の抗TNFα抗体無効例にも使用されることがある

薬理作用・機序

IL-23のp19サブユニットに結合することで、IL-23の生物学的活性を阻害し、Th17細胞の分化・増殖および炎症性サイトカインの産生を抑制する。これにより慢性炎症反応が抑えられる。

禁忌・副作用

重篤な感染症の既往や活動性感染症のある患者には禁忌となる。副作用としては上気道感染、注射部位反応、頭痛、まれに重篤な過敏症や感染症増悪が報告されている。

適応疾患

疾患薬理作用補足
乾癬IL-23阻害による炎症抑制尋常性乾癬、関節症性乾癬
潰瘍性大腸炎IL-23阻害による炎症抑制中等症~重症例
Crohn病IL-23阻害による炎症抑制中等症~重症例

乾癬や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、Crohn病)など、IL-23が病態に関与する慢性炎症性疾患に適応される。特に従来治療で効果不十分な場合に用いられる。

薬品例

薬品名主に使われるケース
グセルクマブ乾癬、関節症性乾癬、潰瘍性大腸炎
リサンキズマブ乾癬、Crohn病
チルドラキズマブ潰瘍性大腸炎

補足事項

抗IL-23p19抗体は抗IL-12/23p40抗体と異なり、IL-12を阻害しないため、より選択的な免疫抑制が期待される。長期安全性や他の自己免疫疾患への適応拡大が今後の課題である。

関連疾患