トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬

概要

トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬は、血小板産生を促進することにより血小板減少症の治療に用いられる薬剤群である。主に慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)や肝疾患に伴う血小板減少症などで適応がある。日本ではエルトロンボパグやロミプロスチムが代表的な薬剤である。

要点

  • TPO受容体に作用し血小板産生を促進
  • 慢性ITPや肝疾患関連血小板減少症に適応
  • 骨髄線維症や血栓症などの副作用に注意

薬理作用・機序

トロンボポエチン受容体作動薬は、骨髄の巨核球系細胞に存在するTPO受容体(c-Mpl)を刺激し、巨核球の増殖・分化を促進することで血小板産生を増加させる。これにより末梢血中の血小板数が上昇する。

禁忌・副作用

骨髄線維症や血栓症のリスク増加が報告されている。重篤な肝障害、活動性の血栓症、妊娠中の使用には慎重な判断が必要である。頭痛、関節痛、肝機能障害、血栓塞栓症などの副作用がある。

適応疾患

疾患薬理作用補足
特発性血小板減少性紫斑病血小板産生促進慢性ITPの治療に用いられる
肝疾患に伴う血小板減少症血小板産生促進肝疾患患者の手術前管理などで使用

TPO受容体作動薬は、主に自己免疫性や肝疾患に伴う血小板減少に対して用いられる。血小板数増加が必要な手術前や慢性的な出血傾向の改善を目的とする。

薬品例

薬品名主に使われるケース
エルトロンボパグ慢性ITP、肝疾患に伴う血小板減少症
ロミプロスチム慢性ITP

補足事項

TPO受容体作動薬は従来の免疫抑制療法やステロイド治療に抵抗性を示すITP患者にも適応が拡大している。長期投与時は血栓症や骨髄線維症の発症に留意し、定期的な血液検査・骨髄評価が推奨される。

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