顆粒膜細胞腫
概要
顆粒膜細胞腫は卵巣性索間質性腫瘍の一種で、主に女性ホルモン(エストロゲン)を分泌することが特徴である。比較的稀な腫瘍で、閉経前後の女性に多いが、若年者にも発症することがある。良性が多いが、まれに悪性化や再発を認める。
要点
- エストロゲン産生腫瘍であり、月経異常や不正出血をきたしやすい
- 超音波や腫瘍マーカー、病理組織診断が重要
- 治療は外科的切除が原則で、再発時は追加治療を考慮
病態・原因
顆粒膜細胞腫は卵巣の顆粒膜細胞から発生し、エストロゲンを過剰に分泌する。発症のリスク因子は明確でないが、遺伝的素因やホルモン環境が関与すると考えられている。大部分は単発性で進行は緩徐だが、まれに悪性転化や腹腔内播種を伴う。
主症状・身体所見
エストロゲン過剰により、月経異常(過多月経、無月経)、不正性器出血、乳房腫脹などがみられる。閉経後女性では再度の性器出血が特徴的。腫瘍増大により腹部膨満や圧痛を訴えることもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 腹部超音波 | 卵巣腫大、嚢胞性または充実性腫瘤 | 形態・大きさ観察 |
| 血中ホルモン測定 | エストロゲン高値 | 他の腫瘍マーカーも参考 |
| 病理組織診断 | 顆粒膜細胞の増生、Call-Exner小体 | 確定診断 |
画像所見では嚢胞性または充実性卵巣腫瘤として描出される。診断は病理組織学的検査による。腫瘍マーカー(Inhibin、AMHなど)も補助的に用いられる。
治療
- 第一選択:外科的切除(卵巣摘出、必要に応じて子宮・付属器切除)
- 補助療法:再発例や悪性例では化学療法や放射線療法を追加
- 注意点:長期経過観察が必要(再発リスクあり)
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 成熟囊胞性奇形腫 | エストロゲン産生なし | 画像で脂肪・石灰化を認める |
| 卵巣癌 | ホルモン症状を伴わないこと多い | 腫瘍マーカー(CA125など)上昇 |
補足事項
再発は発症から10年以上経過して起こることもあり、長期の経過観察が推奨される。小児・若年発症例では思春期早発症の原因となることもある。