近視
概要
近視は眼の屈折異常の一つで、遠くの物が網膜の手前にピントが合い、ぼやけて見える状態を指す。学童期から発症しやすく、遺伝や環境要因が関与する。進行性の場合、網膜剥離など重篤な合併症リスクもある。
要点
- 眼軸長の延長や屈折力の異常で生じる
- 近くは見えるが遠くがぼやける
- 強度近視では網膜疾患のリスクが上昇
病態・原因
近視は主に眼球の前後径(眼軸長)が正常より長くなることで、光が網膜手前で焦点を結ぶ。遺伝的素因のほか、近業作業の増加や屋外活動不足などの環境要因も重要とされる。
主症状・身体所見
遠方視力の低下が主症状であり、近くのものは比較的よく見える。学童期に発見されやすく、眼精疲労や頭痛を訴えることもある。強度近視では眼底に網脈絡膜萎縮や網膜剥離の兆候がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視力検査 | 遠方視力低下 | 近方視力は比較的良好 |
| 屈折検査 | 負の屈折度(−ジオプトリー) | オートレフラクトメーター等で測定 |
| 眼底検査 | 網脈絡膜萎縮、ラッカー線条 | 強度近視で特徴的所見 |
診断は視力検査および屈折検査で確定する。眼底検査で合併症の有無を評価する。画像診断(OCT等)で網膜や脈絡膜の状態も確認される。
治療
- 第一選択:眼鏡・コンタクトレンズによる矯正
- 補助療法:オルソケラトロジー、低濃度アトロピン点眼
- 注意点:強度近視では定期的な眼底検査と合併症の早期発見が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 遠視 | 近くも遠くもぼやける | 屈折検査で正の値 |
| 老視 | 加齢による調節力低下 | 40歳以降発症、近方視力低下 |
補足事項
近視の進行抑制には屋外活動の増加が有効とされる。近年、低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーの効果が報告されている。強度近視は失明原因となるため、合併症への注意が必要。