自家感作性皮膚炎
概要
自家感作性皮膚炎は、主に四肢の湿疹病変が体の他部位へ二次的に波及する多発性の湿疹型皮膚炎。一次病変の炎症や搔破による抗原拡散や自己感作が誘因となる。アレルギー機序が関与し、急性から亜急性の経過をとる。
要点
- 一次病変から離れた部位に多発性の湿疹を生じる
- アレルギー機序や自己感作が発症に関与
- 原因病変の治療が重要で再発しやすい
病態・原因
主に下腿などにみられる一次性の湿疹や皮膚炎が、搔破や炎症を契機に抗原が血行性・リンパ行性に拡散し、他部位に新たな湿疹病変を生じる。自己感作によるアレルギー反応(Ⅳ型過敏反応)が関与する。
主症状・身体所見
強い痒みを伴う紅斑、丘疹、水疱などの湿疹病変が、一次病変から離れた体幹や四肢などに多発する。一次病変部は慢性湿疹やうっ滞性皮膚炎などが多い。二次病変部は対称性に分布し、急性から亜急性の経過を示す。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚所見観察 | 一次病変から離れた部位の多発性湿疹 | 病歴と分布が重要 |
| 病理組織検査 | 表皮内浮腫、海綿状態、リンパ球浸潤 | 鑑別目的で施行 |
| アレルギー検査 | 特異的な所見なし | 他疾患除外に有用 |
臨床的には、一次病変の存在と二次的な多発湿疹の発生、病歴や分布、他疾患の除外により診断する。病理所見は非特異的であるが、他の皮膚疾患との鑑別に役立つ。
治療
- 第一選択:外用ステロイド薬による炎症抑制
- 補助療法:抗ヒスタミン薬内服、保湿剤、一次病変の治療
- 注意点:一次病変治療の徹底と再発予防、刺激回避
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| アトピー性皮膚炎 | 乳幼児発症、慢性再発性、家族歴 | IgE高値・好酸球増多 |
| 接触皮膚炎 | 接触部位に限局、原因物質明瞭 | パッチテスト陽性 |
| うっ滞性皮膚炎 | 下腿に限局、静脈うっ滞所見 | 下肢静脈エコーでうっ滞確認 |
補足事項
自家感作性皮膚炎は、一次病変の治療と皮膚バリア機能の維持が再発防止に重要である。慢性化や治療抵抗例では全身療法や生活指導も考慮される。