精巣外傷
概要
精巣外傷は、外力による精巣組織の損傷で、交通事故やスポーツ外傷、暴力などが主な原因となる。陰嚢腫脹や疼痛、血腫形成など急性症状を呈し、重症例では精巣破裂や壊死に至ることもある。早期診断と適切な治療が精巣機能温存に重要となる。
要点
- 急性陰嚢腫脹・疼痛を伴う
- 画像検査による重症度評価が重要
- 早期治療で精巣温存率向上
病態・原因
精巣外傷は鈍的外力や鋭的外力により発生し、精巣被膜損傷、実質損傷、血腫、精巣破裂など多様な病態を呈する。主なリスク因子はスポーツ事故、交通外傷、暴力、労働災害などである。
主症状・身体所見
急性の陰嚢腫脹、強い疼痛、皮下出血、陰嚢内血腫が主な症状である。重症例では精巣の輪郭不明瞭や精巣の突出、陰嚢皮膚の裂創なども認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 血腫、精巣実質の不均一像、断裂像 | 最も有用な初期画像検査 |
| CT/MRI | 精巣破裂、血腫の範囲、合併損傷 | 重症例や診断困難例で施行 |
超音波検査で精巣被膜の連続性や血流評価を行い、断裂や血腫を確認する。CTやMRIは広範な損傷や他臓器合併損傷の評価に用いられる。身体診察で精巣の輪郭消失や皮膚裂創があれば重症を疑う。
治療
- 第一選択:精巣温存を目指した血腫除去・被膜縫合などの手術
- 補助療法:鎮痛、安静、陰嚢挙上、抗菌薬投与
- 注意点:精巣壊死や感染、機能障害の早期発見と対処
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 精巣捻転症 | 急激発症・挙上で増悪 | 超音波で血流低下 |
| 精巣上体炎 | 発熱・尿路症状を伴うこと多い | 超音波で上体腫大・血流増加 |
補足事項
小児や高齢者では症状が非典型的な場合があり、診断遅延に注意が必要。精巣摘除となる例もあるため、早期の泌尿器科専門医受診が望ましい。