性早熟(思春期早発)
概要
性早熟(思春期早発)は、通常よりも早い年齢で二次性徴が出現する状態を指す。中枢性(真性)と末梢性(偽性)に大別され、女児に多い。原因は特発性が多いが、腫瘍や中枢神経疾患、ホルモン産生異常なども関与する。
要点
- 二次性徴の出現が平均より著しく早い
- 中枢性と末梢性に分類される
- 骨成熟の促進と低身長リスクがある
病態・原因
性早熟は、視床下部-下垂体-性腺軸の活性化(中枢性)や性腺・副腎などからの性ホルモン過剰分泌(末梢性)によって発症する。特発性が多いが、脳腫瘍や外傷、遺伝性疾患、卵巣・精巣腫瘍、McCune-Albright症候群なども原因となる。
主症状・身体所見
女児では乳房発育や初経、男児では精巣・陰茎の増大や陰毛発生が通常より早期に認められる。骨年齢の進行が速く、急激な身長増加後に成長停止しやすい。時に頭痛や神経症状を伴う場合もある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| ホルモン測定 | LH・FSH・性ホルモン上昇 | GnRH刺激試験で中枢性か鑑別 |
| 骨年齢評価 | 実年齢より進行 | X線による手根骨評価 |
| 頭部MRI | 腫瘍・器質的異常の有無 | 特に男児や神経症状時に必須 |
骨年齢の進行とホルモン動態から診断し、GnRH刺激試験により中枢性(LH・FSH上昇)と末梢性(反応なし)を鑑別する。画像検査で器質的疾患の有無を確認する。
治療
- 第一選択:GnRHアナログ療法(中枢性の場合)
- 補助療法:原因疾患への対処(腫瘍摘出・ホルモン異常是正など)
- 注意点:骨成熟進行の抑制、定期的な骨年齢・成長評価
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 早発乳房 | 乳房発育のみ、他の二次性徴なし | 骨年齢・LH/FSH上昇なし |
| McCune-Albright症候群 | 皮膚斑、骨病変、性早熟 | 性ホルモン高値・LH/FSH低値 |
補足事項
女児の大多数は特発性で予後良好だが、男児や症候性の場合は器質的疾患の除外が重要となる。治療開始時期や骨成熟度により最終身長の予後が左右されるため、早期発見・介入が望ましい。