急性小児片麻痺
概要
急性小児片麻痺は、突然発症する小児の一側上下肢の筋力低下または麻痺を特徴とする神経疾患である。多くは脳血管障害や感染、炎症性疾患が原因となる。発症原因の鑑別と早期対応が極めて重要である。
要点
- 突発的に一側の上下肢に麻痺が生じる
- 脳血管障害や感染、炎症など多様な原因がある
- 早期診断と原因治療が予後に直結する
病態・原因
急性小児片麻痺の主な原因は脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、ウイルス感染(特にエンテロウイルスやヘルペスウイルス)、脱髄疾患、自己免疫性疾患など多岐にわたる。先天性心疾患や血液疾患などのリスク因子も関与する。
主症状・身体所見
突然の一側上下肢の筋力低下または完全麻痺が主症状であり、顔面神経麻痺や構音障害、意識障害、痙攣を伴うこともある。発症時の年齢や随伴症状により原因疾患の鑑別が重要となる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 頭部MRI/CT | 脳梗塞、脳出血、炎症性変化 | 急性期病変の同定 |
| 脳脊髄液検査 | 細胞数増加、ウイルスPCR陽性 | 感染や炎症の評価 |
| 血液検査 | 炎症反応、凝固系異常 | 原因疾患検索 |
画像検査で脳血管障害や炎症性病変を評価し、髄液検査やウイルスPCRで感染症を鑑別する。血液検査で炎症や凝固異常、自己免疫疾患の有無を調べる。臨床経過と検査所見の総合判断が診断の鍵となる。
治療
- 第一選択:原因疾患に応じた治療(抗ウイルス薬、抗菌薬、抗炎症薬、血栓溶解療法など)
- 補助療法:リハビリテーション、対症療法(鎮痙薬・理学療法など)
- 注意点:早期治療開始と再発予防、原因検索の徹底
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性脳症 | 意識障害・全身症状 | MRIでびまん性脳病変 |
| ギラン・バレー症候群 | 上行性対称性麻痺 | 髄液蛋白細胞解離 |
| 脳腫瘍 | 徐々に進行する神経症状 | MRIで腫瘍性病変 |
補足事項
急性小児片麻痺は稀だが、発症時の迅速な鑑別と治療が後遺症の有無を左右する。最近では遺伝性脳血管障害や自己免疫性脳炎の報告も増えているため、広範な鑑別が必要である。