強皮症腎

概要

強皮症腎は全身性強皮症に合併する腎障害であり、急速進行性の腎不全と高血圧を特徴とする。腎クリーゼと呼ばれる急性発症型が典型的で、早期診断と治療が予後を左右する。

要点

  • 全身性強皮症に合併しやすい急性腎障害
  • 急激な高血圧と腎不全が特徴
  • 早期のACE阻害薬治療が奏功

病態・原因

強皮症腎は自己免疫機序により腎小動脈の内膜肥厚や線維化が進行し、腎血流が著しく低下することで発症する。プレドニゾロン高用量投与や進行した強皮症がリスク因子となる。

主症状・身体所見

急激な血圧上昇(高血圧緊急症)、急性腎不全、蛋白尿、浮腫、頭痛、視力障害、痙攣などがみられる。レイノー現象や皮膚硬化など強皮症の全身症状も伴う。

検査・診断

検査所見補足
血液検査クレアチニン上昇、LDH上昇、溶血性貧血急性腎障害の進行を示す
尿検査蛋白尿、血尿、顆粒円柱腎障害の指標
腎生検小動脈の内膜肥厚・線維化必要時に施行

診断は急性腎不全の出現と強皮症の既往・皮膚所見を組み合わせて行う。腎生検では血管病変が特徴的。画像では腎の萎縮や血流低下がみられることもある。

治療

  • 第一選択:ACE阻害薬の投与
  • 補助療法:血圧管理、透析療法(重症例)、感染予防
  • 注意点:早期治療開始が予後改善、ステロイド高用量は禁忌

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急速進行性糸球体腎炎血清ANCA陽性、免疫複合体沈着腎生検で半月体形成
悪性腎硬化症長期高血圧の既往小動脈硬化、尿所見軽度

補足事項

強皮症腎クリーゼは発症初期に見逃されやすく、ACE阻害薬の早期導入が唯一の予後改善策である。ステロイド高用量は発症リスクを高めるため注意が必要。

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