低酸素血症

概要

低酸素血症は動脈血中の酸素分圧(PaO₂)が異常に低下した状態を指す。主に呼吸器、循環器の障害や酸素供給不足など多様な原因で発生し、臓器障害や生命予後に直結する重要な臨床所見である。

要点

  • 動脈血酸素分圧(PaO₂)が基準値未満となる状態
  • 呼吸器・循環器疾患や酸素供給障害が主な原因
  • 早期発見・原因治療が予後改善に重要

病態・原因

低酸素血症は換気障害、拡散障害、シャント、換気血流不均衡、低酸素吸気など多様な病態で発生する。原因としては肺炎や気管支喘息、心不全、低酸素環境下での曝露などが挙げられる。

主症状・身体所見

主な症状は呼吸困難、頻呼吸、チアノーゼ、意識障害などである。重症例では頻脈、不整脈、血圧低下、錯乱や昏睡に至ることもある。

検査・診断

検査所見補足
動脈血ガス分析PaO₂低下低酸素血症の直接評価
パルスオキシメトリSpO₂低下簡便な酸素飽和度モニタリング
胸部X線/CT原因疾患の画像所見肺炎・浮腫・無気肺等の評価

動脈血ガス分析でPaO₂<80 mmHgを基準とし、重症度や原因検索には画像診断や心機能評価も重要となる。

治療

  • 第一選択:酸素投与(鼻カニュラ、マスク、高流量等)
  • 補助療法:原因疾患への治療(抗菌薬、気管支拡張薬、利尿薬など)
  • 注意点:過剰酸素投与によるCO₂ナルコーシスや酸素中毒に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
呼吸不全PaCO₂の異常・呼吸性アシドーシス動脈血ガスでCO₂も評価
貧血Hb低下・皮膚蒼白血算でヘモグロビン低値
心不全浮腫・頸静脈怒張・心雑音BNP高値・心エコー異常

補足事項

高齢者や基礎疾患患者では軽度の低酸素血症でも重篤な転帰をとることがある。慢性呼吸器疾患ではPaO₂の目標値設定や二酸化炭素ナルコーシスへの配慮が必要である。

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