不均衡症候群

概要

不均衡症候群は、主に慢性腎不全患者において急速な血液浄化(特に血液透析)開始時に発症する神経学的症候群。血液中と脳内の浸透圧差や電解質バランスの急激な変化が原因となる。主に意識障害やけいれん、頭痛などの中枢神経症状を呈する。

要点

  • 急速な透析開始直後に発症しやすい
  • 主に神経症状(意識障害、けいれん)を呈する
  • 予防策と早期対応が重要

病態・原因

慢性腎不全患者において、急激な血液浄化により血漿中の尿素やその他の浸透圧物質が急減する一方、脳内からの拡散は遅れるため、脳細胞内に水が移動し脳浮腫が生じる。高齢者や尿毒症の進行例、初回透析時にリスクが高い。

主症状・身体所見

頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、けいれん、筋攣縮などの中枢神経症状が主体。重症例では昏睡や呼吸抑制もみられる。症状は透析中または直後に現れることが多い。

検査・診断

検査所見補足
血液検査BUN・クレアチニン急減透析前後での変化を確認
頭部CT/MRI脳浮腫重症例で施行、除外診断目的
血液ガス分析代謝性アシドーシス改善急激な補正に注意

症状出現時の臨床経過と、急速な尿素・浸透圧物質の減少が診断の手がかりとなる。画像検査は他疾患除外や重症例で脳浮腫の確認に用いる。

治療

  • 第一選択:透析速度の緩徐化、低効率透析
  • 補助療法:高張液投与、対症療法(抗けいれん薬など)
  • 注意点:初回透析時は特にゆっくりと進め、症状発現時は直ちに透析中止や速度調整

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
脳浮腫透析以外の原因(外傷・感染)画像所見・既往歴
低ナトリウム血症血清Na低下が中心電解質異常の有無

補足事項

近年は透析技術の進歩により発症頻度は減少傾向だが、初回透析や重度尿毒症例では依然注意が必要。予防には透析速度・量の調整が重要である。

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