ケロイド
概要
ケロイドは、外傷や炎症後に皮膚の瘢痕が異常に増殖し、元の傷を越えて肥厚性に広がる良性の線維性腫瘍である。見た目の異常や痒み、痛みを伴うことがあり、再発しやすいのが特徴である。
要点
- 傷や炎症後に発生し、瘢痕が過剰増殖する
- 元の病変範囲を超えて拡大しやすい
- 再発しやすく治療が難しい
病態・原因
ケロイドは外傷、熱傷、手術、ピアス、ニキビなど皮膚の損傷後に真皮線維芽細胞が過剰にコラーゲンを産生し、過形成性瘢痕を形成する。遺伝的素因や皮膚の緊張、メラニン量の多い人種で発症しやすい。
主症状・身体所見
赤色〜暗赤色で光沢があり、硬く盛り上がった瘢痕が特徴。瘢痕は元の傷を越えて拡大し、痒みや圧痛、灼熱感を伴うことが多い。肩、胸部、耳垂、下顎など皮膚の緊張が高い部位に好発する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 硬く隆起し、光沢のある赤色〜暗赤色瘢痕 | 病歴と外観で診断が可能 |
| 皮膚生検 | 過剰な膠原線維の増生 | 他の腫瘍や肥厚性瘢痕との鑑別に用いる |
臨床的には病変の拡がりや経過、既往歴から診断する。組織学的には肥厚性瘢痕との鑑別が重要で、ケロイドは正常皮膚を越えて拡大する点が特徴である。
治療
- 第一選択:ステロイド局所注射または外用
- 補助療法:圧迫療法、シリコーンゲルシート貼付、凍結療法、レーザー治療
- 注意点:再発率が高く、外科的切除単独は推奨されない
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 肥厚性瘢痕 | 傷の範囲内にとどまる | 経過と拡大範囲 |
| 皮膚腫瘍 | 増殖速度や形状が異なる | 組織学的検査 |
補足事項
ケロイドの発症には遺伝的素因が関与しやすく、黒人やアジア人に多いとされる。再発予防には複数治療法の組み合わせが有効である。治療抵抗性の場合は専門医への紹介を考慮する。