Wilson-Mikity症候群

概要

Wilson-Mikity症候群は、主に早産児に発症する特発性の慢性肺疾患であり、出生後早期から進行性の呼吸障害を呈する。肺の間質性変化や肺胞構造の発達障害が特徴で、気管支肺異形成症(BPD)とは異なり、人工換気歴がなくても発症する。

要点

  • 早産児に発症する慢性肺疾患である
  • 特発性で人工換気歴がなくても発症する
  • 肺の間質性変化と進行性呼吸障害が特徴

病態・原因

本症は未熟な肺における肺胞発達障害と間質性線維化を基盤とし、原因は明確でないが、胎内環境や出生後の酸素投与、感染などが関与すると考えられている。人工換気や高濃度酸素曝露がない場合にも発症する点が特徴的である。

主症状・身体所見

出生直後からの呼吸促迫、陥没呼吸、チアノーゼ、低酸素血症を認める。聴診上はラ音や喘鳴を認めることが多い。進行例では体重増加不良や哺乳障害を伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線網状・線状陰影、過膨張両側性で肺門周囲優位
血液ガス分析低酸素血症呼吸性アシドーシスを伴うことも
CT検査肺野の線維化像詳細な肺構造評価に有用

診断は早産児における進行性の呼吸障害と特徴的な画像所見から行う。鑑別には気管支肺異形成症や感染症、肺出血等を除外する必要がある。

治療

  • 第一選択:酸素投与管理
  • 補助療法:栄養管理、感染予防、必要時に呼吸補助
  • 注意点:過剰な酸素投与による酸素中毒や合併症の管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
気管支肺異形成症人工換気歴、酸素投与歴あり胸部X線で気腫性変化が目立つ
新生児肺炎感染徴候、発熱あり血液検査で炎症反応上昇

補足事項

本症はBPDと異なり、人工換気や高濃度酸素曝露がなくても発症しうるため、早産児の呼吸障害では常に念頭に置く必要がある。予後は呼吸管理や合併症の有無により異なる。

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