West症候群
概要
West症候群は乳児期に発症する難治性てんかん症候群で、点頭てんかん、ヒプスアリスミア(脳波異常)、発達遅滞を三徴とする。ほとんどが生後1年以内に発症し、早期診断と治療が予後を左右する。
要点
- 乳児期発症の難治性てんかん症候群
- 点頭てんかんとヒプスアリスミアが特徴
- 発達遅滞や知的障害を高率に合併
病態・原因
脳の発達異常、脳障害、遺伝子異常、代謝異常など多様な原因が知られるが、しばしば原因不明例も多い。基礎疾患の有無で予後や治療反応性が異なる。
主症状・身体所見
点頭発作(頭部や体幹の前屈を伴うてんかん発作)が繰り返し出現し、発達の停滞・退行が認められる。発作は群発し、1日に何度も起こることが多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 脳波検査 | ヒプスアリスミア | 高振幅・不規則な脳波異常 |
| 頭部画像検査 | 脳構造異常の有無 | MRIで脳奇形や損傷を評価 |
| 血液・代謝検査 | 代謝異常や遺伝子異常の確認 | 原因精査として実施 |
診断は点頭発作、ヒプスアリスミア、発達遅滞の三徴を満たすことでなされる。脳波でのヒプスアリスミア所見が決定的であり、画像検査や代謝・遺伝子検査で基礎疾患の有無を確認する。
治療
- 第一選択:副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)療法またはビガバトリン
- 補助療法:抗てんかん薬(バルプロ酸、トピラマートなど)、リハビリテーション
- 注意点:早期治療が予後改善に重要、基礎疾患の治療も並行して行う
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 欠神発作 | 意識消失のみ、運動症状乏しい | 脳波で3Hz棘徐波 |
| Lennox-Gastaut症候群 | 多様な発作型、2歳以降発症 | 徐波を伴う遅いスパイク波 |
| 新生児けいれん | 発症時期が新生児期 | 脳波でヒプスアリスミアなし |
補足事項
難治性であることが多く、早期診断・治療が発達予後に強く影響する。基礎疾患の特定と家族への心理的支援も重要である。