Sturge-Weber症候群
概要
Sturge-Weber症候群は、顔面の母斑と脳・眼の血管奇形を特徴とする先天性疾患である。神経症状や緑内障、てんかん発作を伴うことが多い。脳の血管腫による進行性の神経障害が主な問題となる。
要点
- 顔面のポートワイン母斑と脳・眼の血管奇形が特徴
- てんかん発作や神経発達遅滞を高頻度で認める
- 緑内障や片麻痺など多彩な合併症を呈する
病態・原因
本症は、GNAQ遺伝子の体細胞変異によるモザイク病変で発症し、脳・顔面・眼の血管形成異常が生じる。脳のレプトメニンゲ血管腫が神経症状の主因となる。
主症状・身体所見
典型的には顔面三叉神経第1枝領域のポートワイン母斑、てんかん発作、知的障害、片麻痺、緑内障などを認める。母斑が両側性や広範囲の場合、重症化しやすい。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 頭部MRI/CT | レプトメニンゲ血管腫、石灰化 | 皮質下のトラムトラック状石灰化が特徴 |
| 眼科検査 | 緑内障、脈絡膜血管腫 | 眼圧上昇や視神経萎縮の評価 |
| 脳波 | 焦点性てんかん波形 | 発作型・焦点部位の同定 |
画像診断では脳表の血管腫や石灰化が重要な所見となる。診断は臨床症状と画像所見の組み合わせで行う。
治療
- 第一選択:てんかん発作には抗てんかん薬、発作難治例には外科治療も考慮
- 補助療法:緑内障に対する点眼薬・手術、理学療法や発達支援
- 注意点:進行性神経障害や視力障害への定期的モニタリングが重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 結節性硬化症 | 白斑・てんかん・腎腫瘍など多臓器病変 | 皮質結節・脳室下結節(MRI) |
| 神経線維腫症1型 | カフェオレ斑・神経線維腫・骨病変 | 皮膚所見・MRIで腫瘍性病変 |
| von Hippel-Lindau病 | 網膜・中枢神経血管腫、腎腫瘍 | 腎・膵・中枢神経の腫瘍性病変 |
補足事項
本症は進行性のため、早期発見・多職種連携による包括的管理が推奨される。遺伝性疾患ではないが、家族歴への配慮も必要となる。