Plummer病
概要
Plummer病は、甲状腺の良性腺腫(機能性結節)が自律的に甲状腺ホルモンを過剰産生し、甲状腺機能亢進症を呈する疾患である。主に中高年に発症し、Basedow病とは異なり自己免疫機序は関与しない。結節性甲状腺腫の一型で、結節が単発または多発することがある。
要点
- 機能性甲状腺結節による甲状腺ホルモン過剰分泌
- 眼症状や自己抗体陽性はまれ
- 高齢者に多く、結節性甲状腺腫の鑑別が重要
病態・原因
Plummer病は、甲状腺の自律的に機能する良性腺腫(ホット結節)が原因で、TSH非依存性に甲状腺ホルモンを過剰産生する。発症には遺伝的素因や加齢、ヨウ素摂取状況が関与すると考えられている。
主症状・身体所見
動悸、体重減少、発汗、多食、手指振戦などの甲状腺機能亢進症状がみられる。結節性の甲状腺腫が触知されるが、眼球突出や皮膚症状はほとんど認めない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 甲状腺ホルモン(FT3, FT4) | 上昇 | TSH低下を伴う |
| 甲状腺シンチグラフィ | ホット結節 | 周囲の甲状腺組織は抑制される |
| 甲状腺自己抗体 | 陰性 | Basedow病との鑑別に有用 |
甲状腺機能亢進とホット結節の存在が診断の決め手となる。甲状腺超音波検査で結節性病変を確認し、シンチグラフィで結節の機能性を評価する。
治療
- 第一選択:手術的切除または放射性ヨウ素治療
- 補助療法:抗甲状腺薬による一時的コントロール
- 注意点:治療後の甲状腺機能低下に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Basedow病 | びまん性腫大・眼症状・自己抗体陽性 | シンチグラフィでびまん性集積 |
| 甲状腺腺腫 | 機能性でなければ甲状腺機能正常 | ホット結節なし |
補足事項
Plummer病は高齢者に多く、心房細動や骨粗鬆症など合併症のリスクも高まる。ヨウ素過剰摂取やヨウ素造影剤投与後に発症することもあるため注意が必要。