Celsus禿瘡
概要
Celsus禿瘡は主に小児の頭部に発生する、皮膚糸状菌(特にTrichophyton属やMicrosporum属)による深在性白癬である。炎症性の脱毛斑や膿瘍を形成し、重度の場合は瘢痕性脱毛を残すことがある。地域や衛生環境により発症頻度が異なる。
要点
- 小児の頭部に好発し、強い炎症と膿瘍形成を伴う
- 皮膚糸状菌感染が原因で、瘢痕性脱毛に進展しやすい
- 抗真菌薬による全身治療が必要となる
病態・原因
Celsus禿瘡は皮膚糸状菌が毛包深部に侵入することで発症し、主にTrichophyton tonsuransやMicrosporum canisなどが原因となる。感染経路は動物やヒトとの接触が多く、衛生状態の悪い環境で流行しやすい。
主症状・身体所見
頭部に紅斑・腫脹・膿瘍形成を伴う脱毛斑が出現し、圧痛や膿性分泌物を認めることが多い。病変部はしばしば痂皮を伴い、治癒後に瘢痕性脱毛を残すことがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 真菌鏡検・培養 | 毛髪や膿汁から皮膚糸状菌を検出 | 種類同定が治療選択に重要 |
| 皮膚生検 | 毛包内の真菌、肉芽腫性炎症を認める | 病理で深在性白癬を確認 |
| Wood灯検査 | 一部の菌種で蛍光を認めることがある | Microsporum属で陽性 |
診断は臨床所見と真菌検査による。培養による菌種同定が治療薬選択に重要であり、鑑別として細菌感染や膿痂疹との区別が必要。
治療
- 第一選択:経口抗真菌薬(テルビナフィン、イトラコナゾール等)
- 補助療法:局所抗真菌薬、病変部の清潔保持
- 注意点:治療期間が長期化しやすく、瘢痕性脱毛の予防が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 毛包炎 | 膿疱中心に毛髪が残存、炎症軽度 | 真菌検査陰性、細菌培養陽性 |
| 壊死性筋膜炎 | 急速進行性・激痛・全身症状 | 深部組織壊死、培養で細菌 |
| 円形脱毛症 | 炎症や膿瘍なし、境界明瞭な脱毛斑 | 真菌検査陰性 |
補足事項
抗真菌薬は十分な期間投与が必要であり、早期治療により瘢痕性脱毛のリスクを低減できる。日本では稀だが、海外では依然として報告が多い。