黄体囊胞

概要

黄体囊胞は卵巣に形成される機能性囊胞の一種で、排卵後の黄体に液体が貯留して発生する。多くは自然に消退し、無症状で経過することが多いが、時に茎捻転や破裂をきたすことがある。

要点

  • 排卵後の黄体に液体が貯留して形成される
  • 多くは自然消退し無症状
  • 破裂や茎捻転時は急性腹症となることがある

病態・原因

排卵後の卵胞が黄体に変化した際、内部に液体が貯留し囊胞化することで発症する。ホルモンバランスの乱れや排卵刺激剤の使用がリスクとなる場合がある。機能性囊胞であり、腫瘍性変化は基本的に認めない。

主症状・身体所見

多くは無症状で経過し、偶然の画像検査で発見されることが多い。囊胞が大きくなると下腹部痛や圧迫感を自覚することがある。破裂や茎捻転をきたすと急激な腹痛や腹膜刺激症状が出現する。

検査・診断

検査所見補足
骨盤超音波検査単房性の低エコー囊胞内容物は液体で、壁は比較的薄い
MRIT2強調像で高信号の囊胞血腫形成時は信号変化あり

画像診断が主体で、典型的には単房性の液体貯留囊胞として描出される。腫瘍マーカーは通常正常範囲であり、経過観察で自然消退が確認できる場合が多い。

治療

  • 第一選択:経過観察(自然消退を期待)
  • 補助療法:疼痛時は鎮痛薬投与、ホルモン療法を考慮
  • 注意点:茎捻転や破裂時は緊急手術適応

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
機能性卵巣囊胞月経周期との関連、自然消退傾向ホルモン値・画像で区別
成熟囊胞性奇形腫脂肪や石灰化の画像所見超音波・CTで内容物の性状が異なる

補足事項

卵巣囊胞の中でも頻度が高く、特に若年女性でよくみられる。自然消退することが多いため、過剰な治療は避ける。急性腹症時は迅速な鑑別と対応が必要。

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