高マグネシウム血症

概要

高マグネシウム血症は血清マグネシウム濃度が基準値(約1.8~2.6 mg/dL)を超えて上昇した状態である。主に腎機能障害やマグネシウム含有薬剤の過剰投与が原因となる。重症化すると神経筋症状や循環器症状を呈し、致死的となることもある。

要点

  • 腎障害や薬剤性が主な原因
  • 神経筋・心血管系の症状が出現
  • 早期診断と治療が予後改善に重要

病態・原因

高マグネシウム血症は主に腎機能低下によるマグネシウム排泄障害、または下剤や制酸薬などマグネシウム含有薬剤の過剰摂取により発症する。特に高齢者や慢性腎臓病患者でリスクが高い。

主症状・身体所見

初期は悪心、嘔吐、筋力低下、傾眠などがみられる。進行すると腱反射消失、徐脈、低血圧、心停止など重篤な神経筋症状や循環器症状を呈する。

検査・診断

検査所見補足
血清Mg値2.6mg/dL超で上昇重症度は値の上昇度と臨床症状で判断
心電図PR延長、QRS延長、徐脈重症例で心停止リスク
腎機能検査クレアチニン上昇腎障害の合併を確認

血清マグネシウム値の上昇が診断の決め手となる。心電図異常や腎機能障害の有無も評価し、重症度判定や原因精査を行う。

治療

  • 第一選択:マグネシウム摂取中止、腎機能保全、重症例では緊急透析
  • 補助療法:生理食塩水点滴による利尿促進、カルシウム静注による心毒性拮抗
  • 注意点:再発防止のため原因薬剤の確認と中止、腎機能障害患者への投与回避

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
低マグネシウム血症神経過興奮、テタニー、QT延長血清Mg値低下
高カルシウム血症脱力・意識障害・多尿血清Ca値上昇
高カリウム血症筋力低下・不整脈・心電図T波高尖化血清K値上昇、心電図異常

補足事項

マグネシウム含有薬剤は市販薬にも多く含まれるため、服薬歴の聴取が重要。重症例では心停止リスクが高く、迅速な対応が求められる。

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