頸管無力症

概要

頸管無力症は、子宮頸管が妊娠中に十分な強度を保てず、無痛性に拡張しやすくなる状態である。主に妊娠中期に無痛性の子宮口開大や流産・早産を引き起こす原因となる。既往歴や解剖学的要因が発症に関与する。

要点

  • 妊娠中期に無痛性の子宮口開大をきたす
  • 流産や早産のリスク因子となる
  • 既往歴や頸管損傷が発症に関与

病態・原因

頸管無力症は、子宮頸管の組織脆弱性や手術・損傷などによる解剖学的変化が原因となる。頸管の支持構造が弱くなり、胎児の成長に伴う圧力に耐えられず開大する。頸管円錐切除術や人工妊娠中絶の既往がリスクとなる。

主症状・身体所見

特徴的なのは妊娠中期以降の無痛性の腟出血や羊水流出、下腹部違和感である。しばしば自覚症状に乏しいまま、突然子宮口が開大し流産や早産に至る。内診や経腟超音波での頸管短縮が診断の手がかりとなる。

検査・診断

検査所見補足
経腟超音波頸管長の短縮(25mm未満など)妊娠中期に有用
内診無痛性の子宮口開大痛みや子宮収縮を伴わない

経腟超音波による頸管長測定が診断の中心で、25mm未満はリスクとされる。内診での無痛性開大や胎胞の膨隆も重要所見。診断基準は妊娠中期の無痛性頸管開大と早産・流産既往の有無を考慮する。

治療

  • 第一選択:子宮頸管縫縮術(マクドナルド法など)
  • 補助療法:安静、子宮収縮抑制薬の投与
  • 注意点:感染徴候や破水時は手術禁忌

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
切迫早産有痛性の子宮収縮を伴う子宮収縮・頸管短縮あり
前期破水羊水流出が主症状腟分泌物・羊水検査で診断

補足事項

頸管無力症は反復流産や早産の既往がある場合に強く疑う必要がある。最近では経腟超音波による頸管長スクリーニングが予防的介入の指標となる。

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