静脈洞血栓症

概要

静脈洞血栓症は、脳の静脈洞に血栓が形成されることで静脈還流障害を生じる疾患である。主に頭蓋内圧亢進や局所神経症状を呈し、若年成人や女性に多い。早期診断と治療が予後改善に重要となる。

要点

  • 脳の静脈洞に血栓が形成される
  • 頭痛や意識障害、けいれんなど多彩な症状
  • 造影画像検査が診断の鍵となる

病態・原因

頭蓋内の静脈洞(主に上矢状静脈洞、横静脈洞など)に血栓が形成され、静脈血の還流障害や脳浮腫、出血性梗塞を引き起こす。リスク因子には脱水、妊娠・産褥、経口避妊薬、血液凝固異常、感染症、頭部外傷などが挙げられる。

主症状・身体所見

頭痛が最も多く、悪心・嘔吐、視力障害、けいれん、意識障害、局所神経症状(片麻痺、失語など)もみられる。乳頭浮腫や意識障害は重症例で出現する。

検査・診断

検査所見補足
頭部MRI/MR静脈造影静脈洞の血流途絶・血栓像診断の第一選択
頭部CT直達徴候(dense triangle sign等)、出血性梗塞急性期や鑑別に有用
血液検査Dダイマー上昇、凝固異常補助的情報

画像検査(特にMRI/MR静脈造影)が診断の中心であり、静脈洞の血流途絶や血栓像を確認する。CTでは急性期にdense triangle signや出血性梗塞がみられることがある。

治療

  • 第一選択:抗凝固療法(ヘパリン、ワルファリンなど)
  • 補助療法:頭蓋内圧亢進対策、けいれん管理、支持療法
  • 注意点:出血例でも原則抗凝固を継続、原因検索と再発予防

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
脳梗塞動脈領域の障害、リスク因子MRIで動脈系の虚血像
くも膜下出血急性激烈頭痛、意識障害CTでくも膜下腔出血像
脳腫瘍進行性神経症状、慢性経過MRIで腫瘍性病変

補足事項

妊娠・産褥期や経口避妊薬使用女性での発症が多く、若年者の脳卒中の重要な鑑別疾患である。抗凝固療法は出血性梗塞合併例でも原則推奨される。再発予防のため基礎疾患の精査が重要。

関連疾患