輸血関連急性肺障害

概要

輸血関連急性肺障害(TRALI)は、輸血後6時間以内に発症する急性の非心原性肺水腫である。主に免疫学的機序や生体反応によって引き起こされ、重篤な呼吸不全を来すことがある。輸血の合併症の中でも致死率が高く、迅速な対応が必要となる。

要点

  • 輸血後6時間以内に発症する急性呼吸不全
  • 免疫学的機序や生体反応が関与
  • 非心原性肺水腫が特徴

病態・原因

TRALIは主に輸血製剤中の抗白血球抗体や生体反応性物質が、受血者の好中球を活性化することで肺毛細血管の透過性が亢進し、非心原性肺水腫を引き起こす。リスク因子としては大量輸血、既往歴、重症患者などが挙げられる。

主症状・身体所見

急性の呼吸困難、低酸素血症、頻呼吸、発熱、チアノーゼなどが主症状となる。身体所見では両側性のラ音や湿性ラ音が聴取され、血圧低下やショック症状がみられることもある。

検査・診断

検査所見補足
胸部X線両側性肺浸潤影心拡大なし、急性出現
血液ガス低酸素血症PaO2/FiO2比低下
BNP正常または軽度上昇心不全との鑑別に有用

胸部画像で心拡大を伴わない両側性肺水腫が特徴的。診断は輸血後6時間以内の急性肺障害(ALI/ARDS)基準を満たし、心不全や過剰輸液、他の原因を除外することで確定する。

治療

  • 第一選択:酸素投与、必要時人工呼吸管理
  • 補助療法:循環管理、必要に応じて昇圧薬投与
  • 注意点:輸血の即時中止、再発防止のための献血者管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
心原性肺水腫心拡大・BNP高値心エコーで心機能低下
急性呼吸窮迫症候群(ARDS)輸血歴なしでも発症原因疾患の有無

補足事項

TRALIは輸血関連死亡の主要原因であり、輸血適応の厳密な評価や献血者管理が重要。免疫学的TRALIと非免疫学的TRALIの両者が存在する。再発予防のためには原因となった輸血製剤や献血者の特定が推奨される。

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