膀胱外傷

概要

膀胱外傷は外的衝撃や骨盤骨折などに伴い膀胱壁が損傷を受ける状態で、尿漏出や血尿、腹痛を主な症状とする。交通事故や高所からの転落などの鈍的外傷が主な原因となる。外傷の重症度や損傷部位により治療方針が異なる。

要点

  • 骨盤骨折に合併しやすい
  • 血尿・尿漏出が特徴的
  • 手術適応の判断が重要

病態・原因

膀胱外傷は主に骨盤骨折に伴う鈍的外力や、まれに鋭的外傷(刺創など)によって発生する。膀胱充満時に外力が加わると破裂しやすく、腹腔内破裂と腹膜外破裂に大別される。

主症状・身体所見

主な症状は肉眼的血尿、排尿困難、下腹部痛や膨満感である。腹腔内破裂では尿性腹膜炎症状(腹膜刺激症状)が出現しやすい。骨盤骨折の既往や会陰部腫脹も重要な身体所見となる。

検査・診断

検査所見補足
腹部単純X線骨盤骨折の有無骨盤骨折の合併を確認
膀胱造影造影剤の腹腔内・外漏出漏出部位で腹腔内/外を鑑別
CT(造影)尿の漏出、周囲臓器損傷他臓器損傷の評価

膀胱造影は膀胱損傷の診断と破裂部位の鑑別に有用。CTは全身状態や他臓器損傷の検索に役立つ。腹腔内破裂は緊急手術適応となる。

治療

  • 第一選択:腹腔内破裂は緊急手術、腹膜外破裂は保存的治療(尿道カテーテル留置)
  • 補助療法:抗菌薬投与、輸液、疼痛管理
  • 注意点:尿道損傷合併例ではカテーテル挿入禁忌

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
腎外傷腰背部痛・血尿・ショック造影CTで腎実質損傷を確認
尿道外傷会陰部血腫・尿道口出血・排尿困難逆行性尿道造影で損傷部位確認
膀胱炎排尿時痛・頻尿・軽度血尿尿検査で白血球/細菌増多

補足事項

高齢者や小児では症状が非典型的な場合があり、骨盤骨折例では膀胱損傷の合併を常に念頭に置く。腹膜刺激症状出現時は速やかな外科的対応が必要となる。

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